はねられて宙を舞う作業員(画像は『Netwerk24 2019年4月8日付「Witness tells of traumatic N2 accident」』のスクリーンショット)

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交通事故の多い南アフリカの道路。それを象徴するかのような危険運転による人身事故が発生し、『Netwerk24』など多くのメディアが事故当時の衝撃映像とともに伝えている。

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事故現場は南アフリカ・ケープタウンから70キロほど離れたフラボウ(Grabouw)にある国道N2。この道は観光スポットのガーデンルートに続いており、国道でありながらのどかな風景が見られ、観光客の車も多く走行している。また、国道ということもあって時速120キロ超で走る車も多く、追い越しが頻繁に行われている危険な道路でもある。現在、このN2では平日に道路工事が行われており、作業員などが歩いていて普段以上に危険な状態であった。そんな中、1台の車が道路作業員に衝突、作業員が宙を高く舞う衝撃の映像が捉えられた。

この映像はエルリ・デメイロンさん(Elri DeMeillon)の車内に設置されたダッシュカムが捉えたものだ。3月22日の午後、エルリさんは家族旅行のためN2を走行していた。夫のリンドンさんが運転をし、後部座席には7歳と10歳の子供達がいた。カメラにはN2の様子が映っているが、片側一車線のために追い越しをするには反対車線に出なければならない。道の途中から工事車両が車線の真ん中に停まっており、通常ならば運転手は速度を落として走行すべきところであった。その先をオレンジ色の繋ぎを着た道路作業員2人が歩いており、1人は旗を振り運転手の注意を促す係、もう1人はシャベルを持っている。

すると突然、右側からライトグリーンのトヨタ・アバンザが出てきて、時速10キロほどで走るエルリさんの車を追い越そうとした。リンドンさんは警告の意味を込めてクラクションを鳴らし、その音で作業員も振り向き、車が近づいて来るのを見て逃げようとしたのだが全てが遅かった。シャベルを持っていた男性は時速100キロは出ていたであろう車にはねられ、大きく宙を描き、2回転してエルリさんの車とトヨタ車の間に落ちていった。

エルリさんは最初、はねられた際の衝撃で男性の腕か足がもぎとられたと思ったそうだ。しかしカメラを見直したところ、それは男性の持っていたシャベルだった。エルリさんは「作業員や彼の持っていたシャベルが、私達の車のフロントガラスに落ちてこなかったことは幸運だった」と言うものの、事故を目撃したことの衝撃は大きい。人がはねられる瞬間を目の当たりにし、かといって国道で急停車することもできず、子供達は泣き叫んだ。

すぐに通報したものの、フラボウ警察の対応が鈍いとエルリさんは怒りを隠せない。「旗を振るなどして速度を落とすように促している場所で、スピードを出して人をはねるというのは重罪、過失殺人で犯人を捕まえるべき」と息巻くエルリさんだが、フラボウ警察のラリーン・アストン(Raleen Atson)警部は「人が死んで初めて過失殺人として捜査する」とし、無謀および不注意運転の罪として調査中だと述べている。アストン警部によると、被害者は近くに住むコレレ・フィンデラさん(Xolele Phindela、33)で、事故後すぐに病院へ搬送されている。フィンデラさんは重傷を負ったものの、事故翌日には退院したという。

画像は『Netwerk24 2019年4月8日付「Witness tells of traumatic N2 accident」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)