ノートPCもLTE内蔵モデル時代へ! どこでも瞬時にインターネットできる魅力と注意点

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出先のオフィスやカフェなどでノートPCを利用する。すでに当たり前な光景です。
これまで外出先でのインターネット接続では、公衆無線LANなどのWi-FiやモバイルWi-Fiルーター、スマートフォンのテザリングを利用するというのが定番でした。

しかし、どの方法も使ってみると、いろいろ不満がでてきます。
・Wi-Fiが繋げられる店が周囲にない
・モバイルWi-Fiルーターを常に持ち歩くのが面倒
・モバイルWi-Fiルーターが圏外になる、電波状態が安定しない
・テザリングを使うとスマートフォンの電池がもたない
・スマートフォンでテザリング契約をしていない
・接続するまでに手間と時間がかかる
このほかにも、インターネットにうまく接続できないといったケースも少なくありません。

こうしたモヤモヤする不満を解消してくれるのが、最近増えてきた
ノートPCの「内蔵LTE」モデルです。

最近のノートPC、とりわけ持ち運びを重視したモデルでは、
スマートフォンやタブレットのようにSIMカードを装着できるモデルが増えてきました。

つまりノートPCだけで、一瞬でインターネットに繋ぐことができるのです。


○LTE対応のノートPCは年々増えている!



筆者は、仕事での利用もあり、ノートPCを3台所有しています。
そのうちの2台は「内蔵LTE」モデルを選択しています。
・ThinkPad X1 Carbon (Lenovo製)
・Surface Go (Microsoft製)

実は現在、モバイル向けとして古くから支持されている
・「Let's NOTE(Panasonic)」
・「VAIO(VAIO)」
安価なPCを多くラインナップするなど近年人気を集める
・「m-Book(マウスコンピューター)」
に至るまで、多くのメーカーが内蔵LTEを搭載するノートPCをリリースしているのです。

とくにここ2〜3年でその数は急速に増えています。
いまやノートPCを買い替える際は、最重要ポイントと言う人さえいるのです。


○ノートPCで内蔵LTEモデルが増えているワケ



ノートPC単体でインターネット接続できる内蔵LTEモデルが増えている理由ですが
・スマートフォンやタブレットと同時に使える
 テザリングなどでスマートフォンの負荷、バッテリーを消耗させない
・格安SIMのデータプランを安く利用できる
・すぐにネット接続できる
接続までの手間と時間がかからない
など、多くのメリットがあります。

最近ではAppleのiPadやタブレット、スマートフォンに外部キーボードを追加してノートPCのように利用する「ポスト PC」スタイルも提案されています。
しかし、まだまだマイクロソフトOfficeやChromeブラウザをいくつものウィンドウを開いて自由に使えるノートPCと比べると、機能が限定される分、ストレスを感じてしまいます。

そもそもノートPCであれば、そうした機能の制約は存在しません。
さらにスマートフォンのように、単体で携帯電話の電波を掴んでネットに繋げられれば、用途によって使い分けできるため、ポスト PCなデバイスも無理のない活用ができます。

また、スマートフォンの料金の見直しで普及した「格安SIM」も、LTE内蔵ノートPCの通信コスト削減に役だっています。
従来であれば
・Wi-Fiルーターの月額に4〜5千円
・テザリング利用でスマホのデータ通信量を消費
といった負担がかかっていました。
スマートフォンで格安SIMを活用することで、スマートフォンの通信料を節約できます。
節約できた通信料金でノートPC用に2回線目を用意すれば、大きな出費なしにLTE内蔵ノートPCを活用することができます。

こうした活用が無理なくできるようになったことが、内蔵LTEを搭載するノートPCを利用するニーズを生み、対応ノートPCが増えている一因と考えられるでしょう。


○便利な内蔵LTEノートPC、注意しなければならないことも
ノートPC単体でインターネットに繋げられる内蔵LTEモデルは、一度使うと手放せなくなるほど快適です。
ただし、注意して使わなければ快適に利用することができなくなってしまいます。

ノートPCに限った話ではありませんが、パソコンはスマートフォンやタブレット以上に様々なソフトウェアやアップデートなどで通信を行います。
特にWindows 10では、OSのセキュリティアップデートは毎月行われ、時に数十〜数百MBの通信を複数回行うこともあります。

内蔵LTEモデルのLTE通信も、スマートフォン同様にモバイル回線を使用します。
つまり、スマートフォン同様に
・一ヶ月間のデータ通信量に上限がある
・一定時間内の大容量の通信は一時的な速度制限の対象となる
などの決まり事があるのです。この点は、」十分に理解して利用していく必要があります。




内蔵LTEを搭載するWindows PCの場合、PCの設定で、
「通信を従量課金制である」
こうした設定にすることで、大容量の通信を行うWindows Updateなど、一部の通信を抑制することはできます。ただし、この設定は、あくまでもWindowsがシステム管理する部分での大容量な通信を抑制するものなので、下記のような外部サービスやソフトウェアは対象外になります。
・Dropboxなどのクラウドストレージ
・Adobe CreativeCloud
また、アップデートは手動で行う必要もありますので注意が必要です。


「スマートフォンがあるから」
「タブレットがあるから」
といった理由で、ノートPCを買い替える機会が減ったという人も多いと思います。

しかし、まだノートPCの便利差や快適さは、スマートフォンやタブレットの超える使い勝手があるのも事実です。

次に買い替えを行う際は、ノートPCの内蔵LTEモデルの有無をチェックしてみてはいかがでしょうか。

ノートPCは、スマートフォンやタブレットより長く使うモノです。
だからこそ、性能だけでなく、使い勝手の良い内蔵LTEモデルも視野にいれれば、もっと便利に使える1台に出会えるはずです。


執筆 迎 悟