テーマパーク、映画館…レジャー施設が「飲食物」の持ち込みを禁止するのはなぜ?
春休みを利用して、テーマパークや遊園地、映画館などのレジャー施設に行く人も多いのでは。食費や時間の節約のため、お弁当などの飲食物持参を考える人もいると思いますが、「持ち込み禁止」の施設もあり注意が必要です。しかし、そもそもなぜ、持ち込みを禁止しているのでしょうか。レジャー施設の運営会社に聞きました。
「非日常」を楽しんでもらうため
日本を代表するテーマパークといえば、「夢と魔法の王国」として有名な東京ディズニーランドと東京ディズニーシーではないでしょうか。2018年度上半期(4月1日〜9月30日)における2施設の合計入園者数は前年同期比5.0%増の1551万8000人と、過去最高を記録しました。その東京ディズニーランドと東京ディズニーシーでは、飲食物の持ち込みを原則禁止しています。
運営するオリエンタルランド(千葉県浦安市)の広報担当者に聞きました。
Q.なぜ、飲食物の持ち込みを禁止しているのですか。
担当者「お客さまに東京ディズニーリゾートの『非日常』を楽しんでいただくため、オープン当初から禁止しております。外部からお弁当などの飲食物を持ち込むことで、施設のテーマである『夢と魔法の王国』『海にまつわる伝説や物語』といった世界観が壊れてしまいます。なお、入場時に手荷物検査を実施しております」
Q.飲食物の持ち込み件数は多いのでしょうか。また、過去にトラブルはありましたか。
担当者「オープン当初は『持ち込み禁止を知らなかった』という人もいらっしゃったかもしれませんが、現在は、お客さまによる持ち込み件数は少ないです。『園内でお弁当を食べられない』という認識が広まったからではないでしょうか。持ち込みに関するトラブルも特に見受けられません」
Q.もし、飲食物の持ち込みを発見した場合、どのように対処するのですか。
担当者「外部で購入いただいた飲食物が食べられる『ピクニックエリア』を園外に設置しており、そちらで食べていただくよう案内しています。なお、出口で手続きを行っていただければ再入園は可能です」
Q.食物アレルギーの人が飲食物を持ち込むのも禁止なのでしょうか。園内の飲食店で食物アレルギーの人向けのメニューはありますか。
担当者「アレルギーのある人の飲食物持ち込みは許可しています。食事制限がある旨をスタッフに伝えていただければ問題ありません。また、近年は園内の飲食店で低アレルゲンメニューを充実させています」
Q.「園内の飲食店は混雑している」という声もあります。利便性向上のために工夫していることは。
担当者「食べ歩きが可能な飲食物のメニューを充実させています。店舗の座席数を増やしたり、一部店舗で料理の提供方法をビュッフェ形式からファストフード形式に変更したりするなど、お客さまに手軽に利用いただける環境も整えています」
大阪のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」でも、飲食物の持ち込みを禁止しています。運営元のユー・エス・ジェイ(大阪市此花区)の広報担当者に理由を尋ねると、「詳細な回答は控えさせていただきます。園内で飲食物の持ち込みを発見した際はお客さまに注意しております」と回答がありました。
また、「TOHOシネマズ」「109シネマズ」「MOVIX」などの映画館でも飲食物の持ち込みを禁止していますが、各館の運営会社に理由を聞いたところ、いずれも「回答を控えさせていただきます」とのことでした。
外出先でのトラブルを避けるためにも、事前に飲食物の持ち込み可否を確認した方が無難かもしれません。