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 昨年、弓道に魅了された男子高校生の青春を描いた小説「ツルネー風舞高校弓道部―」がアニメになるなど「弓道」が静かなブームとなっている。そこで2月28日(木)の深夜に放送された「コトノハ図鑑」では、「知らずに使っていた!? 弓道から生まれたコトノハ」と題して、「弓道」由来の言葉を徹底調査した。取材は、MBSの金山泉アナウンサーと藤林温子アナウンサーが担当。2人は「弓道」から生まれた意外な言葉をリサーチした。

「図星」「かけがえのない」
 金山アナと藤林アナは、語源に詳しい京都学園大学の丸田博之教授と共に大阪「茨木市弓道協会」を訪れた。練士六段の白方美代子さんの案内で「弓道」由来の言葉を学ぶ。まずは「調度品」という言葉について。戦国時代、武士にとって弓矢は大切な生活道具。すぐに使えるようにいつも「調えて支度をしておく品」から「調度品」に。

 時代とともに生活道具は変化したが「調度品」という言葉は残った。このほか、「図星」や「かけがえのない」も「弓道の道具」から生まれた言葉という。「図星」は、的の「星的」からきているのだが、丸田教授は「『図』という言葉は『とびきり、すごく、突拍子もない』という意味があります。室町時代、弓が的からとんでもなく外れることを『図外れ』と言ってました。逆に星的にスパーンと当たると『図星』です」と解説。そして、「かけがえのない」とは替えのきかない大切なものという意味だが、「弓道」における替えのきかないものとは「弦を引く右手にはめる手袋のような道具"かけ"」のこと。使い込んで自分専用の物にすることから「替えのきかない大切なもの」=「かけがえのないもの」となった。

弓道が語源「引き分け」
 弓道には矢を引くための「射法八節」という基本動作がある。「一・足踏み 二・胴造り 三・弓構え 四・打ち起こし 五・引き分け 六・会(かい) 七・離れ 八・残心(残身)」この中に、日頃よく使う語源があるのだがわかるだろうか。
正解は...「引き分け」。

 弓を左右均等に押し引きすることから勝負がつかない「引き分け」に語源になった。また、弓道では右手を勝手、左手を弓手といい、初心者は勝手(右手)に力が入ることから生まれた言葉が「自分勝手」という。

「続けざまに素早く行うこと」とは?
 次は意味から考える「弓道」由来の言葉がクイズ形式で出題された。1問目は「続けざまに素早く行うこと」。どういう言葉か分かるだろうか。正解は...「矢継ぎ早」。そして2問目は「自分に向けられた攻撃に対してわずかでも反撃すること」。こちらの答えは「一矢報いる」。このほか、普段何げなく使っている「弓道」から生まれた言葉を金山アナ、藤林アナらがドラマ仕立てで解説した。多くの人の中から大抜擢される「白羽の矢が立つ」や、十分に用意して待ち構えることを意味する「手ぐすねを引いて待つ」について"熱演"した。なお、「かけがえのない」の解説の時、「妻と娘がかけがえのない存在です」と金山アナ。藤林アナはニコニコしながら「牛タン!」と即答するが、あまりにも"図外れ"な答えに丸田教授は「はい。それくらい好きなんですね」と淡々と返していた。

「コトノハ図鑑」(MBS 毎週木 よる0時59分放送)は、MBSのアナウンサーが「コトノハ図鑑」の編集者として様々な分野の"言葉(コトノハ)"の世界を取材。「アナウンサーが言葉を学ぶこと」を通して、視聴者にも発見を届ける。"コトノハ"を深く知れば、『人生が少し豊かになる』をコンセプトに知的好奇心をくすぐる番組。

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