シャープ完全復活へ、カギ握る“脱・鴻海依存”
「想定を超えるブランド力の低下を招いた」と、シャープの戴正呉会長兼社長は反省する。鴻海はシャープの液晶テレビ事業をテコ入れするため、17年度に中国で鴻海が持つ販売網を使い、シャープのテレビを安値で売りさばいた。結果、シャープ製品に安物のイメージが定着した。鴻海はシャープのブランドを生かし、韓国サムスン電子などに対抗するメーカーへ飛躍する構想を描く。だが、シャープの経営再建を急ぐあまり、そのブランドを傷つけた。
閉塞(へいそく)感を打開するカギは、戴会長兼社長が「ブランドを支える武器」と位置付けるデバイス(部品)。フルハイビジョンの16倍の解像度を持つ8Kパネルと画像処理エンジン、自社のスマートフォンに採用した有機ELパネルなどを開発した。経営に余力が生まれ、先進デバイスを相次ぎ世に出す“シャープらしさ”は復活した。
中国では失地回復に向け、「アクオス」に代わって高級テレビブランド「睿視(えいし)」などを立ち上げる。シャープ自ら販売網を構築し、8KテレビやIoT(モノのインターネット)対応家電など日本の先進商品をつぎ込む。「真のシャープの技術力を消費者に見せたい」と意気込む戴会長兼社長。スマホ市場の不振から鴻海も業績が低迷している今、シャープの独り立ちは待ったなしだ。
(文=大阪・平岡乾)

