先発起用に応え、見事に1ゴールを決めた久保。バルセロナ仕込みの技術はブラジルに対しても十分に通用したようだ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 サッカーの本場・ブラジルで久保建英がまたしても魅せた。
 
 12月22日、U-19日本代表がU-19ブラジル代表と対戦。今回のブラジル遠征の最終戦となった一戦で日本は久保や橋岡大樹らを先発で起用し、来年6月のU-20ワールドカップを見据えてゲームに臨んだ。
 
 ワールドカップの最終予選を兼ねたU-20南米選手権に向けて12月中旬から合宿を張っているブラジルに対し、日本は立ち上がりから苦戦。卓越した技術とスピード感に溢れる仕掛けを受けて後手に回り、我慢を強いられる展開となった。しかし、日本は密にコミュニケーションを取り、組織力で対抗。徐々に相手陣内に侵入する時間を増やし、最前線の田川亨介らを中心に好機を作り出していく。
 
 0-0で迎えた後半も日本はブラジルの攻勢を巧くいなしながら、少ない手数でゴール前へと迫る。すると、53分。伊藤洋輝のパスを受けた田川が前線に浮き球のパスを送ると、これに反応したのが久保だ。上手く背後に抜け出すと冷静にGKとの1対1を制し、日本の至宝の2試合連続ゴールで日本がブラジルから先手を取った。
 
 これで目が覚めたカナリア軍団。サッカー大国の意地を懸け、貪欲にゴールを目指してくる。だが、そうした展開にも日本は焦らなかった。カウンターから試合を決める2点目を狙いに行くと、80分に決定機。中村敬斗が右サイドを突破してクロスを入れ、宮代大聖がネットを揺らした。
 
 終わってみれば2-0の快勝。ブラジルから勝利を掴み、今遠征を2勝1分で終えた。
 
 日本サッカー協会を通じ、影山雅永監督が今回の活動を総括。 
 
「来年の本大会へ向けて成長するために貴重な大きな強化の場となりました。これまでやってきたレベルでは世界では上位へ行けない。『さらに強く、早く、正確に!』を選手には求め、そしてその中での選手間の要求のレベルを上げることを求めました。彼らは(U-19アジア選手権・準決勝の)サウジアラビア戦の悔しさを忘れておらず、そして世界レベルでの戦いを欲していることから素晴らしい取り組みを見せてくれたと思います。サッカーの聖地マラカナンスタジアムでの初戦、強豪フラメンゴとの2戦目、そしてブラジルサッカー協会ナショナルトレーニングセンター「Granja Comary」におけるU-19ブラジル代表との3試合を2勝1分け、特にブラジル代表に勝利することができたことは大きな成果だと思っています」
 
 何事にも代えがたい経験をブラジルの地で積んだU-19日本代表。来年6月の本大会に向け、最高の結果で年内最後の活動を締めくくった。