画像は告発者のTwitterスクリーンショット

写真拡大

ヤマト運輸で働いていると名乗る人物が、クール宅急便の荷物の取い扱いがずさんだとSNS上で告発し、物議を醸している。ヤマト運輸は、乱雑に置かれた荷物に謝罪する一方、告発内容の一部には間違いがあると取材に答えた。

“クロネコヤマトの中の人”だという人物は、乱雑に荷物が積まれた作業場とみられる写真を添え、冷蔵や冷凍が必要なクール宅急便の荷物が、「常温に近い状態で放置されてる」と暴露。慢性的な人不足により、「ベルトコンベアで流れてくる荷物を冷凍や冷蔵の配送BOXに詰め込む作業が追いつかず」荷物があふれていると明かしている。

また、配送のトラックまで荷物を詰めたBOXを運ぶ作業では、「何百キロもあるBOXを人力で引っ張るんだ。何往復もする必要があるから相当過酷な労働で、さながら古代の奴隷労働みたいだよ」と説明。また、人手が足りないと「下請け配送トラック」のドライバーにも無償で運ばせていると訴えている。この人物によると、現場で働く従業員は頑張っており「糾弾されるべきは、この状況を放置し続けているヤマトの上層部、役員たち」とのこと。一連の投稿は、12万回以上リツイートされるなど拡散している。

ヤマト運輸に話を聞いたところ、SNSに投稿された写真は、同社ターミナル内のクール仕分け室の様子と思われると回答。配送用のコールドボックスに詰め替える場所だが、クール仕分け室は温度管理されているため「常温に近い状態は明らかに間違い」で、「そういった報告もない」と告発の内容を否定した。また、ボックスは作業員が無理なく移動できる重さと認識しており、「古代の奴隷労働みたい」との表現は誇張されているように思われるとした。

一方、写真で荷物が乱雑に置かれていることについては、「ご心配やご不快に感じられるお客様もいらっしゃり、大変申し訳なく思っております。さらなる品質向上に努めたい」と謝罪。パートナー会社のドライバーに契約範囲を超えた作業があったかどうかについては、把握できていないとのことで「遵守・徹底するよう指導を行う」とした。