最大手の東レが展開するのは高いストレッチ性を特徴とする生地ブランド「プライムフレックス」。15年のブランド設立に合わせ開発したナイロン生地は、異なる2種類のポリマーを貼り合わせた「バイメタル構造繊維」を使用。体にしなやかに追従する柔らかなストレッチ性が最大の売りだ。

 さらに植物由来成分を原料の一部に使用し、アパレル業界で意識が高まる“環境配慮”も訴求。長期的に投資を続け「同ブランドを将来の看板商品に育成する」方針だ。

 日本の厳しい冬に合わせ、“熱”に着目した商品も増えてる。帝人は17年、蓄熱や保温機能を持たせたポリエステル繊維を開発した。

 ポリトリメチレンテレフタレート繊維の分子構造に特殊なカーボン微粒子を入れ、太陽光の近赤外線を効率的に熱に変換。「従来のポリエステル繊維に比べ、体感温度が約5度高くなる」(帝人フロンティアの日光信二社長)と、冬用のアウターなどに売り込む。

 旭化成が力を入れるのは人が動くと発熱するユニークな生地だ。汗などの水蒸気を吸収すると発熱する製品と違い、特殊設計のポリウレタン生地が関節などの伸縮に合わせ伸びる際に、独自技術で熱を発生する。同社は「運動時に生地の表面温度が上がるので、冬用スポーツウエアに最適」とPRする。
 
 高い質感を持たせた製品も人気を集める。ユニチカのポリエステル生地「Z―10」は異なる2種類のポリマーを複合紡糸した繊維が原料で、加工中の熱で繊維が縮む捲縮が発生。高いストレッチ性と同時に、生地に自然なひだが表れる「ドレープ性」を持たせた。「女性用のおしゃれ着に使うと上質な仕立てになる」と話す。

(文=小野里裕一)