まるで地球の引力を無視したかのような、重力を感じさせない24個の不思議な彫刻作品が、世界中の面白い画像やムービーなどを掲載するサイトTheMindCircleで紹介されています。

24 Gravity-Defying Sculptures That Will Amaze You

http://themindcircle.com/gravity-defying-sculptures/

◆01:The Force of Nature

ハンマー投げのような体勢で鉄球が浮いている作品。



作者はLorenzo Quinn氏で、作品のモチーフは「あらゆる災害を退けることを望む神」とのこと。作品のアイディアは、Quinn氏が見たタイのハリケーンで荒廃した海岸の情景からインスパイアを受けて生まれたとのこと。



By Sarfraz Abbasi

鉄球に近づいた写真を見ると、今にも遠心力で飛んでいきそう。



By Stewart Lacey

◆02:Wire Fairies

タンポポの綿毛を持っている妖精で、作品の素材には鉄のワイヤーが使用されているとのこと。作成手順は、骨組みの基礎を作ってから妖精の骨や筋肉を薄く肉付けていきます。



作者のRobin Wight氏は、数年前に趣味の森林散策をしていた時にこの作品をひらめいたとのこと。



なお、この妖精たちは自分で作ることが可能。インターネットでDIYキットを注文できます。



◆03:Wursa

作者はDaniel Firman氏(@daniel_firman_studio)。象が立っている迫力に注目してしまう作品ですが、像の質感や造形が再現されている部分からも技術の高さが確認できます。この作品はフランスのフォンテンブロー城で展示されています。



◆04:Trans Ī Re

男性の体に力が入らない理由はわかりませんが、鳥が必死に運んでいるのだけは伝わってきます。この作品の作者は、ノルウェーのオスロの国立美術アカデミー出身の芸術家、Fredrik Raddum氏。作品は、デンマークのギャラリーHans Alf Galleryで取り扱われています。



◆05:Floating Stone

浮遊している石が落ちてきそうな恐怖を感じますが、不思議と触ってみたくなる魅力があります。この作品はエジプトのカイロ国際空港に展示されている作品で、作者はSmaban Abbas氏。



◆06:Coffee Kiss

まるでコーヒーに魂が宿ったかのような作品。液体のようなツヤは、素材の陶器によるもの。



作者は、香港を拠点に活動する芸術家のJohnson Tsang氏。Tsang氏によると「Coffee Kiss」というのは実は作品名ではなく、通称とのこと。



動きを付け加えたムービーで見ると、さらにインパクトがあります。

Johnson Tsangさん(@johnson_tsang_artist)がシェアした投稿 - 5月 20, 2017 at 7:07午前 PDT




◆07: Take My Lighting But Don’t Steal My Thunder

建物の下半分が一部なくなっています。作者はAlex Chinneck氏



作品を横から見ると、削り取られるように建物の一部がごっそりとなく、建物の上半分が宙に浮いているのがわかります。



◆08:Les Voyageurs

作者はフランスの芸術家Bruno Catalano氏で、イメージは「時間と空間を無限に広げた男性」とのこと。この作品は2009年にフランスの都市マルセイユに建てられ、街の一部となっています。



なお、作品の隣にはもう一体の同じタッチの男性の彫刻が建っています。



◆09:Wurf VI

作者は、芸術家2人のコンビ「Anna Borgman And Candy Lenk」で、メンバーは、デンマーク出身のBorgman氏とドイツ出身のLenk氏。



大きさ2.5メートルの岩が、高さ25メートルの住居の上で静止しているような作品です。



作者によると、この作品には「作品を見た人が、災害が起こることが避けられないと感じてその苦痛を感じた後に、実は本物の岩ではないことがわかって安心を得る」ことまでが意図として織りまれているとのこと。



◆10:Book Sculptures

5000冊の本で作られている彫刻です。本が窓から雪崩のようにあふれ出ています。



以下の画像は別の場所の作品。彫刻の周りに人が集まると、作品の巨大さや作品が生み出す世界の特異さがよくわかります。



以下の画像はさらに別の場所の作品。



近づいて撮影した写真を見ると、作品が大量の本で構成されているのが一目でわかります。



作品の中は空洞で、金属製の骨組みで支えられている模様。中央でポーズを取っているのが作者でスペイン出身の芸術家Alicia Martin氏。



以下のムービーには彫刻に人が集まっている様子が収められており、本のページが風でなびく姿など、再生するとどのような状態で展示されていたかが一発でわかります。

Alicia Martin Biografias - YouTube

◆11: Hyper-Realistic Illusions Carved Out Of Wood

布が生きているかのような作品です。作者のTom Eckert氏によると、素材は布ではなく木で作られているとのこと。



作成方法は、素材の木を削り、それを着色するというもの。道具は、スプレーガンやブラシなどで、塗料は水性ラッカーを使用。



Eckert氏は、「布」をテーマとした作品を多く製作しているとのこと。



Eckert氏によると、布というのは教会で「モノを隠す」ために使われており、子どもの頃に教会へ行ってた頃を思い出すとのこと。



◆12:De Vaartkapoen

1985年にベルギーのストリートに立てられた作品。作者は彫刻家のTom Frantzen氏。マンホールのフタが開き、その中からDe Vaartkapoenという名の若い反逆者がびっくり箱のように飛び出して警官を転倒させている姿は、「権力をひっくり返すこと」を表現しています。



彫刻を前から撮影した写真はこんな感じ。警官が今にも倒れてきそう。



By nik gaffney

顔をアップにした写真を見ると、権力を表す警官が驚いているのがよくわかります。



By oarranzli

◆13:Window With Ladder - Too Late For Help

空中に窓と外壁が浮いており、ハシゴがかかっています。この作品は2008年に、アルゼンチン出身の芸術家Leandro Erlich氏が作成。



以下のムービーを再生すると、浮いている窓が醸し出す奇妙な雰囲気が一発でわかります。

"Window and Ladder - Too Late for Help" by Artist Leandro Erlich at Prospect.1 - YouTube

◆14:Balancing Sculptures

ロープの上で椅子を使い、見事にバランスを取っています。作者はポーランド出身の芸術家Jerzy Kędziora氏。



別の作品では、器械体操のつり輪で絶妙なバランスを取って空中で静止。Jerzy Kędziora氏は、他にもロープの上で曲芸や器械体操を行いながらバランスを取っている作品を発表しています。



◆15: Car Sculptures

3台の自動車が真っすぐ空に向かって走っています。作者はイギリスのGerry Judah氏。



別の作品はクラシックなレーシングカーが建物を越す放物線を描いています。



空のサーキットを縦横無尽に駆け抜けています。



◆16:Pentateuque

作者はフランス出身の芸術家Fabien Mérelle氏で、男性1人が全力で大きな像を支えている作品。作品の高さは5メートルほどで、素材はシリコン。香港経済新聞によると、作品は「男の人が自分より何倍も大きい象を背負うという滑稽な造形で、信仰や文化、世間体など外部からの社会的圧力によって苦しめられている人々を表し、見る者に鋭く問いかける」のが狙いとのこと。作品は、中環(セントラル)地区にある皇后像広場に展示されています。



By art_motive

◆17:The Virgins Of Apeldoorn

女性が空中で横たわっている像です。まるで見えないベッドの上で寝ているよう。



作品の全体は、同じように宙に横たわる女性3人で構成されており、オランダの公園に展示されています。作者はオランダの芸術家Elisabet Stienstra氏。



◆18:Monte-Meubles, L’Ultime Déménagement

高さ10メートルの空中に白い建物の外壁と窓が浮いており、ハシゴを使って窓にテーブルを運んでいます。この作品は、フランス西部の都市ナントで開催されたアートイベント「Le voyage a Nantes(ナントへの旅)」で並んだものの1つ。作者はアルゼンチンの作家、Leandro Erlich氏。



◆19:Stone Balancing

バランスのみで立っている石で、接着剤などバランスの補助はありません。上に乗っている石は、バランスが絶妙すぎて空中に浮いているように見えます。作者のAdrian Gray氏は、この石を積み上げるアートの分野「ストーン・バランスシング」または「ロック・バランシング」でのパイオニアとのこと。



以下のムービーを再生すると、Gray氏が石を積み上げている様子を見ることができます。

Stone age man - Adrian Gray balancing stones on Lyme Regis beach - YouTube

◆20:Pick Yourself Up And Pull Yourself Together

乗っているアスファルトごと自動車が剥がれて逆さまになっています。



By Getty Images

アスファルトが豪快に剥がされています。作者は「◆07:」の作品と同じAlex Chinneck氏。



By Alex Chinneck

◆21:Abedo

空中の見えないリクライニング・シートに座っているようです。作者は人間の彫刻を作る作品スタイルのEMIL ALZAMORA氏(@emilalzamora)。



◆22:Suspended

高さ10メートルほどの銅製の直方体2つです。右にある一緒に写真を撮っている人で大きさが実感でき、右側の直方体が落ちてきそう。アメリカのニューウィンザーで展示されているもので、1978年にイスラエルの彫刻家Menashe Kadishman氏が作成しました。



By storm king

◆23:Michael Jones Sculpture

見事な飛び込み姿勢で空中に静止しています。作者は「◆14:」と同じJerzy Kędziora氏。



◆24:La Voiture Sur Le Lampadaire

自動車が逆さまになって街灯にのっています。なお、作者のBenedetto Bufalino氏は、別の作品で「電話ボックスが魚の水槽になっている作品」や「ミキサー車のドラムをミラーボールにする作品」など、通常の使い方とは違った方法で使うアートをよく手がけるようです。