30日、TBS「プロ野球戦力外通告 クビを宣告された男達」では、元巨人で来季から選手兼コーチとして日本ハムに復帰する實松一成を特集。巨人から戦力外を通告されたベテランの苦悩に迫った。

實松は、松坂大輔世代No.1捕手として注目されるとドラフト1位で日本ハムに入団。4年目には21歳で正捕手に。2006年には巨人に移籍を果たし、以後、阿部慎之助の控え捕手として長らくチームを支えてきたが、2013年に小林誠司、2015年に宇佐見真吾といった即戦力の捕手が入ると、これに伴い出場機会は激減。今季は14試合のみの出場だった。

それでも10月初旬に発表された巨人の戦力外選手に實松の名前はなかった。
「例年ベテランの人はなるべく早く戦力外になる傾向が近年あったんですけど、そこで言われなかったから自分は安心した」と振り返るも、その直後、巨人はドラフト会議で育成枠含めた4名の捕手を指名。實松は、ドラフト4日後の10月30日に戦力外を言い渡された。

「悔しいという思いも多少あったんですけど、どうしようかというふうに第1にそれを考えましたね」という實松。すでにトライアウトの締め切りは2日後に迫っていたが、来季に向け休養に入っていた彼はトライアウトに臨める状態ではなかったという。

「準備してなかった自分が悪いんですけど、結局戦力外にならないだろうっていう自分の中の甘さがあったのかなんなのか」と後悔の念を口にした實松は、これまでの実績を信じてトライアウトを受けずにオファーを待つことに。結果、日本ハムからオファーがあり安堵の表情を浮かべると、心配する家族に向かって「もう一回みんなの前でいいプレーできるようにパパ頑張るから」と決意を伝えた。