また、未利用の米国内の光ファイバー網を買い取り、ISP(インターネット・サービス・プロバイダー)事業に参入するという見方もある。その場合、タイムワーナー傘下で収益性が悪化しているAOLを買収する可能性もあるようだ。このほかでも、同業の米ネット検索のインフォスペースや米デジタルビデオレコーダーのトップブランド企業ティーボ(TiVo)、そして、中国市場で地歩を固めるために、グーグルが現在、2.6%の少額出資にとどめている中国のネット検索最大手のバイドゥ(百度)の完全買収が有力視されている。

  中国市場については、グーグルは最近、ライバルのマイクロソフトの元幹部、カイフー・リー氏を、グーグルが近く開設する中国R&D(研究開発)センターのトップとして引き抜いたことでも力に入れようが分かる。ただ、マイクロソフトは、リー氏が1年間はマイクロソフト系のMSNの検索エンジン技術の開発に関わっていたとして、グーグルで同様な仕事をすることを禁じる非競争契約に違反するとして、ワシントン州で訴訟を起こしているが、同州の高等裁判所は、リー氏は9月まで、グーグルではマイクロソフトでしていたのと同じ仕事をしないよう命じられている。

  中国のインターネット利用人口は1億人を超え、米国に次いで世界第2位。グーグルの2005年第2四半期(4−6月)決算によると、最終利益は前年同期比4倍増の3億4200万ドル(約380億円)となっているが、アナリストは、同社のサイトが海外のインターネット利用者を惹きつけることが利益増価の要因になっていると見ているだけに、中国市場は同社にとって、主戦場になっているのだ。【了】