吉田麻也(撮影:Noriko NAGANO)

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今回の招集メンバーのうち、CBとして吉田麻也と最も長い時間、一緒にプレーしているのは槙野智章になる。だが、槙野は2015年こそCBとして起用されたが、2016年は常にSBとしてプレーした。昌子源は過去2回A代表マッチ出場経験があるものの、吉田と一緒にプレーしたことはない。そして三浦弦太は今回初出場ということで、もちろん組んだことはない。

6月13日にアウェイで対戦するイラクは、ホームでも苦戦した相手。後半のアディショナルタイムに山口蛍がボレーシュートを決めてやっと勝てた難敵だが、その相手にヴァイッド・ハリルホジッチ監督はあえて新しいコンビで挑もうとしている。

そんな選考に対して選手はどう考えているのか。その質問に吉田は「監督はチャレンジャーだなぁとは思います」と答えて報道陣を笑わせた。そして「でも、決めるのは監督なので、僕は決められた役割をしっかりこなすだけです」と続ける。

一方で吉田は今回のメンバー選考を見てこう考えていた。

「やったことないので、連携の部分はいつも以上に気をつけなければいけないでしょうし、多少のずれは出てくると思うので、しっかりそこはカバーできるようにはしたいと思います」

「誰にでもチャンスがある状況だと思うので、チームにとってはいいんじゃないですかね。今までほとんど固定されていて(他の選手には)ノーチャンスなポジションだったと思うので。このチャンスを生かすのは選手自身だと思うし、僕自身も今まで出ていた選手がこうやって落とされるということで危機感を持ってやっていかなければいけないと思っています」

だが現在、吉田は絶好調。そんな吉田が落ちることなんて思っているのだろうか? そこで「落ちるなんて考えられないでしょう?」と聞いてみた。

すると吉田は真顔で「はい!」と即答し、それからニッコリと微笑んだ。「でも、自分の立ち位置も理解してますし、自分が何をやっていかなければいけないか、どういう役割を担っていかなければいけないか、理解しているつもりです」。吉田はそう頼もしく言い切ると、再び真顔に戻ってた。

【日本蹴球合同会社/森雅史】