声の高さは人それぞれですが、声が、その人の“イメージ”を決める大きな要素になることがしばしばあります。低くて太い声の男性は「強い」印象、高い声の女性は「かわいらしい」印象を持たれることが多いはず。しかし、ビジネスシーンにおいては、地声で話すだけで相手にネガティブなイメージを持たれてしまうことがあります。

 オトナンサー編集部では、フリーアナウンサーとしての経験を持つ、マナーコミュニケーション講師の金森たかこさんに、声の高低を利用してポジティブな印象を与える方法を聞きました。

電話はドレミファ「ソ」の高さで

 まず金森さんによると、少し高い声は「明るい」印象を、少し低い声は「落ち着いた」印象を相手に与えることができるため、対面で話す場合は、相手に安心感を持ってもらえるように、少し低めの落ち着いたトーンの声で話すのがよいそうです。

 逆に電話の場合は、いつもより少し高めのトーンで話したほうがよいとのこと。「電話は声だけのコミュニケーション。話している時の表情や態度が相手に見えないため、声だけで判断されてしまいます」(金森さん)。電話口での声が低いと、相手は「自分は快く思われていない」という感情を抱いてしまい、結果的に「感じが悪い」「早く電話を切りたい」と思わせてしまうことにつながりかねません。

 特に男性の場合、対面時よりも低い声になる人が多いため、「横柄」「不愛想」などの印象を持たれやすい傾向にあります。「元気で、はつらつとした印象を与えるためにも、明るく、普段より少し高いトーンの声を出すことを意識しましょう」(金森さん)。

 電話の第一声は、「ドレミファソ」の「ソ」の高さで出ると、元気が相手に伝わるそう。ただし、3コール以上待たせてしまった場合は、「申しわけない」という気持ちが伝わるように、少しトーンを落として話すようにします。「人は笑顔で暗い声を出せませんし、暗い表情で明るい声を出せません。たとえ相手に見えなくても、話している時の気持ちに合わせた表情や態度を意識することが大切です」(金森さん)。

「電話では50代くらいの管理職の方かと思っていたのに、実際に会ってみたら20代の方でとても驚いたことがあります。声というのは、その人のイメージを大きく左右するため、声の高さにも意識を向けてください」(金森さん)

※参考文献:「『ステキだね』と言われる女性になれる本:話し方とマナーレッスン帳」(西出ひろ子監修)

(オトナンサー編集部)