『嫌われる勇気』オフィシャルサイトより

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 場外乱闘が勃発だ。2月10日、日本アドラー心理学会が香里奈(32)主演のドラマ『嫌われる勇気』(フジテレビ系)に抗議文を送ったことを明らかにした。放送中止あるいは脚本の見直しを要求しており、フジテレビの対応が注目される他、香里奈の黒歴史の新たな1ページとなりそうな気配だ。

■日本アドラー心理学会がフジに激怒?

 女刑事・庵堂蘭子役で香里奈出演中の『嫌われる勇気』。2月9日に放送された第5話の平均視聴率は6.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と全話中最低を記録した。

 そんな同作に追い込みをかけるように今回の件が明らかに。日本アドラー心理学会が10日頃、「株式会社フジテレビジョン『嫌われる勇気』製作責任者御机下」宛ての文書を公式サイトで公開。「貴番組のアドラー心理学理解は日本及び世界のアドラー心理学における一般的な理解とはかなり異なっているように思えます。そのような一般的でない見解を、テレビのような公共的な場で、あたかもそれがアドラー心理学そのものであるかのように普及宣伝されるのは、日本のアドラー心理学の啓発・普及に対して大きな妨げになる」と苦言を呈し、問題点を説明した上で「放映の中止か、あるいは脚本の大幅な見直しを」と要求している。

 アドラー心理学会は非営利の社団法人。会員数は約1千人(2016年10月現在)で、国際アドラー心理学会連合の公認団体だという。いわば国内におけるアドラー心理学の総本山だ。そんなアドラー心理学会にフジは、ドラマ作りを否定された格好だ。

「アドラー心理学会の要求にすぐ応えるなら1、2話分は収録し直す必要があるだろうし、脚本も大幅に書き換えないといけないかもしれない。放送が始まっているし、現実的にはかなりムリな話。おそらく、終盤の残り数話で抗議内容に合わせて方向転換し、茶を濁すのが関の山でしょう」(報道関係者)

 こうなるともう、2014年の写真週刊誌『フライデー』(講談社)大開脚事件、復帰後の爆死ドラマ『結婚式の前日に』(TBS系)に続く香里奈の黒歴史となりそうだ。

「アドラー心理学は、生半可な知識だと誤解しやすい考えが多い。ドラマの原案となっているベストセラーの『嫌われる勇気』も、続編の『幸せになる勇気』までじっくり読み込まないと十分な理解が得られない点が多々ある。今回は同心理学の本質をねじ曲げて災いを招いた。フジの原作破壊は以前からあったので、似た問題は遅かれ早かれ起こったでしょう。しかし視聴率が悪化すれば、香里奈が戦犯に祭り上げられる可能性が残っている」(前出・報道関係者)

 巷では「悪いのは企画と脚本で、香里奈は悪くない」「嫌われる勇気の本とは関係ない話」とフジの負う責任が大きいと見なす意見も少なくない。この抗議の行方は一体どんな結末となるのか。いやはや、ドラマそのものより話題になる様はなんとも皮肉なかぎりだ。

文・安藤美琴(あんどう・みこと)※1974年東京都出身。大学在学中にフリーライターとして活動を始め、『東京ガールズジャーナル』(セブン&アイ出版)、『パチンコ攻略の帝王』などに寄稿。現在は女性向け読み物系の記者・編集者として活躍中。