日本の2大公共交通機関である電車とバス。電車は早くて多くの乗客を運べるが、降りられる場所が限られる。その隙間を埋める形でバスが大きな役割を果たしているのだが、日本を訪れた中国人にとっては電車同様「中国とは違う」と驚き感心する点が多々あるようだ。(イメージ写真提供:(C)Ponsulak Kunsub/123RF)

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 日本の2大公共交通機関である電車とバス。電車は早くて多くの乗客を運べるが、降りられる場所が限られる。その隙間を埋める形でバスが大きな役割を果たしているのだが、日本を訪れた中国人にとっては電車同様「中国とは違う」と驚き感心する点が多々あるようだ。

 中国メディア・今日頭条はこのほど、「中国人を羨ましがらせる日本の路線バス」とする記事を掲載した。記事は、日本の路線バスの特徴や優れた点についていくつかのポイントを挙げて紹介している。まずは、全国各地にそれぞれ異なる公営、私営のバス事業者が存在し、それぞれ独自の運営を行っている点を挙げた。このため、乗降方法や運賃の支払い方法などが事業者によって異なるとした。

 続いては、時刻表の存在だ。中国の地下鉄に時刻表はないが、バスにも時刻表は存在しない。始発と最終便の時刻が記載されているだけで、あとは「待っていればそのうち来る」という感覚である。記事は、日本のバスは時間をしっかりと守っていて、通常1-5分程度の遅れが許容範囲とされていると紹介した。また、時刻表は平日、土曜、日曜・祝日と分かれていること、辺鄙な場所では1時間に1本、2-3時間に1本というケースすらあり、逃した時のショックが大きいとしている。

 さらに、サービスの良さについても言及。日本のバスでは乗務員が基本的に運転手1名しかいないが、車いすの乗客が要れば乗車用のスロープを用意したり、いすを押したりと支援を行ったり、乗客からの質問や問い合わせに応じるとした。また、乗降車時にはバスが少し傾いて高齢者でもスムーズに利用できる、発車時には乗客の安全を確保する、安定した速度で走行する、といった細かい部分の気配りもあると説明した。

 そして最後に、「人へのやさしさ」について触れている。中国とは異なり車内で両替ができること、通常運賃のほかに回数券や定期券があり、交通系ICカードも利用できること、降車時には「降ります」と叫ばなくてもボタンを押せば停留所に止まってくれること、「降りる人が先」のルールが徹底されていることを挙げて説明した。

 日本の路線バスに慣れている日本人は、逆に中国国内のバス事情に驚きと戸惑いを覚えることだろう。混雑していることが多い、降りることを積極的にアピールしないと降りそびれる、お釣りが必要なときには運賃箱の前に立ち、他人の運賃からもらう、座席がプラスチック椅子であるなどなど、驚くことはたくさんある。路線によって同じ名前の停留所の場所が異なるケースが往々にして存在する点も戸惑う。ただ、中国のバスは安い運賃で様々な場所に行くことができるため、慣れてしまえば非常に便利であり、街の風景を眺めつつ中国人の日常を味わうこともできるのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)Ponsulak Kunsub/123RF)