献身性だけではダメだが、やはり岡崎の豊富な運動量と身体を張ったプレーは、レスターが勝利を重ねる上では欠かせない要素のひとつである。 (C) Getty Images

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 2016年もいよいよ今日で終わり。欧州は一部の国を除いてウインターブレイクに入っているが、日本人選手たちの前半戦の出来はいかなるものだったのかを、採点をまじえて評価していこう。
 
※成績は2016年12月31日現在。CL=チャンピオンズ・リーグ EL=ヨーロッパリーグ
 
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◇岡崎 慎司(レスター)
前半戦の採点:65点
今シーズン成績:プレミアリーグ=14試合・2得点・0アシスト/CL=4試合・1得点・0アシスト/リーグ・カップ=1試合・2得点・0アシスト
 
 不完全燃焼の前半戦だ。序盤は先発起用が多かったものの、低調のチーム同様に岡崎も本領を発揮できなかった。
 
 最大の屈辱は、CL初戦となったクラブ・ブルージュ戦での“まさかの”ベンチ外だろう。本人も「一気に突き落とされた。ここまで突き落とされたことはなかった」と大きく落胆した。
 
 しかし、その後はパフォーマンスが向上。9節のクリスタル・パレス戦で先発復帰していきなりゴールを決めれば、翌節のトッテナム戦でも持ち前のハードワークでチームに貢献した。
 
 ラニエリ監督は「とても重要な選手。シンジを起用しない試合では、カンテ(今夏にチェルシー移籍)とシンジという2人のグレートプレーヤーを欠く痛手を被っていた。しかしシンジを起用して、一人分はリカバーできた」と語っている。
 
 その後も不甲斐ない戦いぶりのチームにおいて、唯一及第点の活躍を披露。11月22日のクラブ・ブルージュ戦ではCL初ゴールを決めるなど、公式戦通算でここまで5得点を挙げている。
 
 しかし、プレミアリーグに限ればわずか2ゴールで、物足りなさは否めない。最近は「献身ではなくゴール」といった言葉をよく漏らしており、後半戦はより数字を意識しながらレギュラー奪還に挑む。(松澤浩三)
 
◇原口 元気(ヘルタ・ベルリン)
前半戦の採点:85点
今シーズンの成績:ブンデスリーガ=15試合・0得点・2アシスト/DFBカップ=1試合・0得点・0アシスト
 
 開幕戦から9試合連続先発フル出場を含めてリーグ戦15試合でプレーし、上位争いを繰り広げるチームの中心選手として戦った。日本代表でも最終予選4試合連続ゴールをマークし、今や日本で最も重要な選手のひとりへと成長した。
 
 序盤戦は豊富な運動量でピッチを献身的に動き回り、前線から相手の攻撃を封じた。攻撃でもパスの受け手としてだけでなく、パスの出し手としてもアクセントとなっていた。
 
 しかし、心身ともに疲労が重なって11月頃から失速し、前半戦の終盤は出場機会を減らした。
 
 数字だけを見れば2アシストと、攻撃的な選手としては満足できるものではない。頭も身体もリフレッシュして戻ってくる後半戦では、前半戦を超える活躍を期待したい。(山口裕平)
◇大迫 勇也(ケルン)
前半戦の採点:80点
今シーズンの成績:ブンデスリーガ=16試合・2得点・3アシスト/DFBカップ=1試合・2得点・0アシスト
 
 ケルン在籍3年目にして、ついにFWのレギュラーポジションを獲得。リーグ戦16試合に出場し、第2節以降は先発に名を連ね続けた。
 
 序盤戦は2ゴール・3アシストを記録して結果を残したが、中盤戦以降は怪我人の多いチーム事情もあってトップ下でのプレーを強いられ、数字を残すことができなかった。
 
 今シーズンは得点ランキング2位につけるFWモデストの相棒として2トップの一角に起用され、よりゴールに近い位置でプレーできるようになったことで、その能力が発揮されることになった。
 
 相手を背負っては身体を上手く使ってボールを収め、類稀なパスセンスでモデストに数多くチャンスをもたらした。自身も巧みなターンと思い切ったシュートから、ゴールをマークしている。(山口裕平)