ガッツリごはんはNG!? 「風邪っぽい」とき、薬を飲む前に試したいこと
のどがイガイガする、くしゃみが出る、鼻がムズムズする……など「あれ、もしかして風邪かな?」と思ったときにどんな対処をしていますか?
「しっかり食べて風邪に負けない体力をつけなきゃ!」とガッツリ食べてしまっていませんか? もしかしたらそれ、かえって風邪の症状をひどくすることに繋がっているかもしれません。
今回は予防医療推進協会の理事長を務める筆者が、風邪の引き初めに効果的で簡単な対処法をご紹介します。
■1:梅干し茶を飲む
緑茶に含まれるカテキンには殺菌作用があることは周知のこと。加えて梅干しに含まれる梅リグナン、そして梅干しを作る際に使われる紫蘇にも制菌作用があり、この2つの食材を組み合わせることで相乗効果が期待できます。
梅干し茶の作り方は簡単。種を取り除いた梅干しを湯呑に入れ、熱い緑茶を注いだら箸などで梅干しを潰して飲むだけです。カテキンと梅リグナンの制菌作用に加え、クエン酸には疲労回復効果もあるので、疲れた体で弱った免疫の働きをサポートしてくれます。
■2:マスクをして保湿
風邪のウイルスは粘膜が乾燥することで、鼻や喉の粘膜にくっついて炎症を起こします。マスクで粘膜の乾燥を防いであげるとマクロファージなどの免疫細胞が弱ることなく活発に働いてくれるのです。冬に風邪をひきやすいのは気温の低下よりも乾燥が原因となることが多いので、室内の湿度は50〜60%に保つことが大切です。
■3:十分な睡眠時間を確保する
十分な睡眠が取れていないと1日の疲れが取れません。1日の疲れも取れていないのに風邪のウイルスと戦えというのは体にとっては無理難題なのではないでしょうか。
忙しい人は「これくらいの体調不良では仕事を制御できない!」と無理をしてしまいがち。しかしそのときの無理が風邪を悪化させたり長引かせてしまうのであれば、1日か2日、早めに休んで風邪の症状が軽いうちに治してしまった方が結果的に日常生活に支障が少なくて済みます。
風邪っぽいからといって、スタミナのつきそうなガッツリ系のものを食べるというのは、消化するために体力を奪われてしまうため基本的にはNG。昔の日本人は風邪を引いたら玉子粥や玉子酒、梅干し茶や梅干しの黒焼きを食していたというのも、消化がよく、梅干しや緑茶の効能を経験的に知っていたからでしょう。
市販の風邪薬を常備薬として置いている人も多いと思いますが、ほとんどの風邪薬は症状を抑えて、人の体がもっている免疫が風邪を治す手助けをするもの。治すのは自分自身の免疫であることを認識して、まずは体をいたわり、体が必要としていることや栄養に目を向けてみてくださいね。
【参考】
【筆者略歴】
※ SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。
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