ついには禁止令も出た、江戸の「千社札」大ブームとは?
先日配信が始まったスマートフォン用ゲーム「ポケモンGO」で、街の雰囲気がガラリと変わった東京。こういう一大ブームは、ときには文化を創りあげたりもします。今回は江戸時代の人々が夢中になったあるブームのお話です。

千社札(せんじゃふだ/せんしゃふだ)、というものをご存知でしょうか。
神社仏閣に参拝を行った記念として貼るシールのようなもので、長方形の紙に自分の名前や生まれ、屋号などを寄席文字や江戸文字で記した札です。
お寺や神社でよく見かけますよね。
千社札は、江戸後期に生まれた文化。
生みの親は、天愚孔平(てんぐ・こうへい)と呼ばれる学者です。
この天愚孔平、江戸きっての奇人としても知られる人物。
晴れているのに雨合羽を着て、歳は常に百歳といい、風呂にも入らず、自らを「天愚」と名乗る……とにもかくにも変わった人だったようです。
ある日、天愚孔平は神社に参拝したついでに、自分の名前が書いてあるお札をペタリと貼りました。
そのお札の出来があまりに見事だったため、真似をする人が続出。
いつの間にか江戸中に広まり、神社仏閣はお札だらけになってしまいます。
このお札は「千社札」と呼ばれ、江戸の文化として現代まで残ることになったのです。
最初は宗教的な意味合いだった「千社札」ですが、そこは江戸っ子。
次第に「趣味」の要素が強くなっていきます。
千社札同好会のようなものが作られ、札の色彩や書体に凝るようになっていきました。
サークルのような「千社札連」では交換会が開かれ、交換するためだけの複雑な絵柄のものも作られるようになっていきます。
さらに、神社の天井の高い場所に貼りつけるための「貼り札道具」まで発売されるようになるのです。
ついにはコレクターも出現。
レアな札を交換したり自慢したりするべく、「大寄合」と呼ばれるイベントで、大々的な交換会が行われるように。
とうとう幕府から「信仰からかけ離れ、贅沢になりすぎている」と禁止令が出されてしまうほど、そのブームは過熱してしまうのです。
熱くなりすぎて禁止されてしまうのは、江戸っ子にとっていつものこと。
ですが、こうした過熱が現代の私たちに文化を繋いでいると思うと、反対ばかりもしていられませんね。
文/岡本清香
TOKYO FM「シンクロのシティ」にて毎日お送りしているコーナー「トウキョウハナコマチ」。江戸から現代まで、東京の土地の歴史にまつわる数々のエピソードをご紹介しています。今回の読み物は「江戸の『千社札』大ブーム!」として、7月25日に放送しました。
【あわせて読みたい】
★【最新恋愛事情】私はこうしてパートナーと出会いました(2016/7/24) http://tfm-plus.gsj.mobi/news/AfJ18Fgb71.html
★【誰かに教えたくなる話】恋愛スキャンダルさえも吹き飛ばす、あの女性のあの名言(2016/7/23) http://tfm-plus.gsj.mobi/news/5YNzkJwJ9P.html
★汗の臭いに効く「江戸時代のデオドラント剤」とは?(2016/7/22) http://tfm-plus.gsj.mobi/news/ZvGOaaJE4v.html
<番組概要>
番組名:「シンクロのシティ」
放送日時 :毎週月〜木曜15:00〜16:50
パーソナリティ:堀内貴之、MIO
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/city/

ついには禁止令も出た、江戸の「千社札」大ブームとは?
千社札(せんじゃふだ/せんしゃふだ)、というものをご存知でしょうか。
神社仏閣に参拝を行った記念として貼るシールのようなもので、長方形の紙に自分の名前や生まれ、屋号などを寄席文字や江戸文字で記した札です。
お寺や神社でよく見かけますよね。
生みの親は、天愚孔平(てんぐ・こうへい)と呼ばれる学者です。
この天愚孔平、江戸きっての奇人としても知られる人物。
晴れているのに雨合羽を着て、歳は常に百歳といい、風呂にも入らず、自らを「天愚」と名乗る……とにもかくにも変わった人だったようです。
ある日、天愚孔平は神社に参拝したついでに、自分の名前が書いてあるお札をペタリと貼りました。
そのお札の出来があまりに見事だったため、真似をする人が続出。
いつの間にか江戸中に広まり、神社仏閣はお札だらけになってしまいます。
このお札は「千社札」と呼ばれ、江戸の文化として現代まで残ることになったのです。
最初は宗教的な意味合いだった「千社札」ですが、そこは江戸っ子。
次第に「趣味」の要素が強くなっていきます。
千社札同好会のようなものが作られ、札の色彩や書体に凝るようになっていきました。
サークルのような「千社札連」では交換会が開かれ、交換するためだけの複雑な絵柄のものも作られるようになっていきます。
さらに、神社の天井の高い場所に貼りつけるための「貼り札道具」まで発売されるようになるのです。
ついにはコレクターも出現。
レアな札を交換したり自慢したりするべく、「大寄合」と呼ばれるイベントで、大々的な交換会が行われるように。
とうとう幕府から「信仰からかけ離れ、贅沢になりすぎている」と禁止令が出されてしまうほど、そのブームは過熱してしまうのです。
熱くなりすぎて禁止されてしまうのは、江戸っ子にとっていつものこと。
ですが、こうした過熱が現代の私たちに文化を繋いでいると思うと、反対ばかりもしていられませんね。
文/岡本清香
TOKYO FM「シンクロのシティ」にて毎日お送りしているコーナー「トウキョウハナコマチ」。江戸から現代まで、東京の土地の歴史にまつわる数々のエピソードをご紹介しています。今回の読み物は「江戸の『千社札』大ブーム!」として、7月25日に放送しました。
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番組名:「シンクロのシティ」
放送日時 :毎週月〜木曜15:00〜16:50
パーソナリティ:堀内貴之、MIO
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/city/
