Jリーグがイギリス・パフォームグループと10年間2100億円という大型契約を結んだと報じられました。これまでの放映権が年間約50億円だったということですから、Jリーグに大きな資金が流れ込むことになります。

その資金を使って何をするか。スタジアムの整備をする? より快適な観戦環境を整えることは、観客数増に繋がります。クラブに分配して選手の年俸を上げる? 元選手だった僕にとっては素晴らしいと感じられます。有名な外国籍選手を呼ぶのに使う? リーグへの注目度が一気に高まるでしょうね。

でも、僕はもっと別の所に使って欲しいと思います。それはU-23、U-20など年代別選手の強化です。さらにもっと下のカテゴリーまで強化するとベストです。

いやいや、それは日本サッカー協会の分野であって、Jリーグのやるべきことではない、という筋論もあるでしょう。ですが、U-23、U-20のほとんどの選手はJリーグで活躍しているのです。その選手たちがレベルアップすることは、Jリーグの魅力アップに繋がりますし、そのまま日本代表チームの強化にも繋がります。

2002年日韓ワールドカップのときは、フィリップ・トルシエ監督がユース、五輪、そしてA代表と3つのカテゴリーを統括し、一気通貫の方針と育成を行いました。問題がなかったとは言いません。トルシエ監督のお眼鏡にかなわないと、どのカテゴリーにも呼ばれないという事態にもなってしまいました。

ですが、2002年を前に各年代をしっかり強化しようという方針は素晴らしかったと思います。現在、日本の年代別代表は世界大会に出て行けずに苦しんでいます。日本は2009年、2011年、2013年はアジア予選で敗退し、ワールドユースに出場できていないのです。

早い時期から世界との距離を知ることが、選手としての成長に大きく役立ちます。そして魅力ある若い選手がどんどん出てきてくれることが、Jリーグの、そして日本サッカーの未来を明るくしてくれると思うのです。

いかがでしょう? ぜひ今回の資金を若手育成に回すよう、一度検討して欲しいと思います。