マーリンズ・イチロー【写真:田口有史】

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マリナーズ地元メディアが注目、イチロー&グリフィーが「同じ月に英雄に」!?

 マーリンズイチロー外野手が今季ここまで打率.342と活躍し、3000安打の金字塔まで残り12本と迫っている。メジャー16年目を迎えている最年長野手の躍進は全米でも報じられており、古巣シアトル・マリナーズがあるワシントン州の地元紙「ザ・ヘラルド」電子版がこのほど、今月12日(日本時間13日)にパドレスの本拠地ペトコ・パークで行われるオールスター戦に「選出される可能性がある」と伝えている。

「元マリナーズの選手に野球界のスポットライトが明るく輝く」とのタイトルで組まれた特集記事では、数々のビッグネームとともに2001年から12年までマリナーズで活躍したイチローも登場している。

 記事では元マリナーズで現在ヤンキースのアレックス・ロドリゲスの今季不調を伝える一方、「ケン・グリフィー・ジュニアは7月24日に殿堂入りを果たすことになる。42歳のイチロー・スズキは3000安打の大台に近づいている。それは野球史上で最も偉大な達成の一つである。そして。彼はオールスターゲームに選出される可能性がある」と元マリナーズ2選手の現状をレポートしている。

 イチローは今季限られた出番の中で勝負強いバッティングを披露。ここまで155打数53安打、打率.342、11打点、チーム最多の7盗塁で出塁率.415と好成績を収めている。この期間、メジャー通算500盗塁に到達し、日米通算の安打数でメジャー最多安打を誇るピート・ローズの4256安打も超えた。メジャー通算でも歴代30位の2988安打とし、史上30人目の3000安打に「12」と迫っている。

昨季の低迷から一転、今季躍進に「驚くべきこと」

 記事ではそのベテランの通算11度目となる球宴出場の可能性に言及。「マーリンズの第4の外野手として、伝統的な選出を果たすのに十分な打席に立っていない」としながらも、「MLBには彼を選出する方法がいくつも存在する。特に彼が7月12日のサンディエゴでの試合まで、(選出の)境界線に立っている限りは」と、ファン投票以外で選出される可能性が残されていることを伝えている。

 マーリンズのドン・マッティングリー監督のイチロー推しのコメントも紹介。指揮官は「彼は見ていて楽しいんだ。ある意味、不老の存在だね。彼の年齢について本当に話題にすべきじゃないと思うんだ。なぜなら、彼は大半の選手よりも速く走れる。肩も守備もほとんどの選手よりも上だし、バットも振れている。彼の全てが非凡なんだよ」と称賛している。

 さらに、キャリアワーストの打率.229に終わった昨季について「2015年のマイアミでの1年目はAロッド的だった」と指摘する一方、今季のV字回復を称賛。「42歳での復活劇は驚くべきことだ」と伝えている。

今季途中にマリナーズ復帰? 「それは冗談」

 また、「シアトルで10度オールスターに選出された後、5年後に11度目の選出を果たすとすれば、それは通常のファン人気にとどまらず、マリナーズにはトレード期限にレフトの問題を彼(イチロー)で修復しようと思いつかせるかもしれない」とレポートしつつ、直後には「それは冗談。我々はグリフィーで懐古主義がどういう結果を導くのか知っている。イチローでその戦略を再テストする必要はない」と記している。記事にある通り、ケン・グリフィー・ジュニアはレッズ、ホワイトソックスを経て、2009にマリナーズに復帰したが、活躍できずに2010年のシーズン途中に引退を発表した経緯があった。

 それでも「元マリナーズの2人のスターが同じ月に英雄になることはファンにとっても楽しみだ。グリフィーは殿堂入り史上最多得票数(率)を手にした。イチローは2か国で野球の王様となるだろう」と、イチローの3000安打達成と球宴出場に熱視線を注いでいる。

 敬愛してやまないグリフィー・ジュニアと並び称されるイチロー。金字塔を目前に控えて球宴入りの可能性も話題になるなど、アメリカで大きな注目を浴びている。