現在リニアモーターカーは世界最速の鉄道として実用化が進められている。日本でもリニア中央新幹線が2027年に東京(品川)−名古屋間が開業する予定だ。(イメージ写真提供:123RF)

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 現在リニアモーターカーは世界最速の鉄道として実用化が進められている。日本でもリニア中央新幹線が2027年に東京(品川)-名古屋間が開業する予定だ。

 だが、近い将来リニアモーターカーを上回るスーパー高速鉄道が実用化されるかもしれない。中国メディアの新浪はこのほど、中国四川省の成都市で従来の鉄道の概念を大きく変える可能性のあるスーパー高速鉄道が研究されていると伝えた。

 スーパー高速鉄道を研究しているのは成都市の西南交通大学だ。報道によれば、西南交通大学のスーパー高速鉄道は真空状態となったチューブ状の空間のなかを車両が走行するというもので、米国で同じく開発が行われているハイパーループと同様の考え方だ。チューブ状の空間のなかを走行するため、気象条件に左右されず、極限まで減らした空気抵抗のもとで高速での走行が可能だ。中国ではすでに30年以上も次世代高速鉄道システムの研究が続けられているという。

 記事は続けて、中国のスーパー高速鉄道について「今後10年で大きな進展があるはず」と期待を示したうえで、仮に実用化されれば建設に必要な材料価格は「日本のリニア中央新幹線の50分の1になる」との展望を示した。

 新幹線はかつて「夢の超特急」などと呼ばれたが、「夢のまた夢」と考えられているような鉄道が今後実用化されるかもしれない。リニア中央新幹線が開業すれば、日本の高速鉄道システムは改めて世界をリードすることになる。米中で開発が進められているスーパー高速鉄道の実用化には、安全性や費用など解決しなくてはならない問題が山積しているが、実現に向けて現実味が増してきているのは確かであろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)