【米国はこう見ている】岩隈久志、当日昼に要請受け“緊急登板” 快投に監督絶賛「言い尽くせない」
ヘルナンデスの体調不良で前倒し登板もHQS、地元メディアは「宝石のような投球」
マリナーズの岩隈久志投手は22日(日本時間23日)、敵地エンゼルス戦で“緊急登板”ながら8回6安打2失点3奪三振1四球と好投。しかし、今季初勝利はならなかった。ハイクオリティースタート(HQS、7回以上を自責2以下)を達成したものの、今季4戦目でも1勝目を掴めず。好投報われなかった日本人右腕だが、スコット・サーバイス監督は「凄い」と評価。MLB公式サイトも「キングの代わりにクマがフェリックスの代役として宝石のようなピッチング」と絶賛している。
寝耳に水の出番だった。岩隈はこの日、体調不良を訴えた「キング」ことヘルナンデスに代わって、1日前倒しで“緊急登板”。特集では、「金曜日の朝にヒサシ・イワクマが起きた時には午後のエンゼルス戦に先発することになるとは想像もしなかった。フェリックス・ヘルナンデスの登板日だった。キングは登板日に休んだことはなかった」とレポートしている。
岩隈の携帯にサーバイス監督からの着信が入ったという。先発ローテーションの1番手ヘルナンデスが風邪でダウンしていた。そして、岩隈は緊急登板の要請を受け入れた。記事によると、右腕は試合後に通訳のアントニー鈴木氏を介して「正直、最初に聞いた時には少し驚きました。でも、先発して彼の役割を果たすことができました」と語っている。
指揮官は絶賛「彼についての多くを物語ってる」「我々が希望していたもの全て」
初回に2点の先制点をもらったが、ソロ本塁打2本を浴びて追いつかれると、打線は2回以降は沈黙。5回2死から10打者連続アウトと完璧なピッチングを続けた岩隈は、同点のまま降板となり、勝ち点を手にすることができなかった。だが、そのピッチングについてMLB公式サイトは「宝石」と絶賛している。
「クマに関しては十分に言い尽くせない。今日の12時に電話を受けて、君は今日投げる、と頼まれた。そして、マウンドに立ち、あんなパフォーマンスを見せてくれた。それはすごいことなんだ。彼についての多くを物語っている」
記事によると、サーバイス監督はこう称えている。
岩隈は今季4試合先発し、防御率は3・81。0勝2敗と白星から見放されているものの、指揮官は絶大な信頼を寄せる。記事では、サーバイス監督の「彼は今日乗っていたと思う。ボールは低めに集まっていた。スプリットも良かった。カウントも有利だった。浅いカウントで打たせていた。球数もコントロールされていた。今日我々が希望していたもの全てだ」というコメントも紹介。緊急登板で圧巻のピッチングを見せてきた岩隈に指揮官は賛辞を惜しまなかった。
岩隈自身も復調に手応えを感じている。「速球もすごくキレがあった。自分もそれは嬉しい。この時期に持っていきたいコンディションまで来ていると思う」。今季初勝利は目の前まで来ている。