「あちこちの弦を押さえて望み通りの音を出す」というギターの演奏方法は、ギターが弾けない人から見ると、とてもマネすることのできない狂気の沙汰のように見えるかもしれません。ギターの弾き方が全くわからない人でも、指示されたボタンを押さえながらかき鳴らすだけで、練習しなくてもギター演奏を可能にするギター型ハードウェアが「MI Guitar」です。

MI Guitar by Magic Instruments | Indiegogo

https://www.indiegogo.com/projects/mi-guitar-by-magic-instruments--3#/

MI Guitarがどのような音色でどんな電子楽器なのかは、以下のムービーを見るとよくわかります。

Magic Instruments - A new type of guitar you can play in minutes - YouTube

外でギターをかき鳴らして弾き語りをしている男性。



演奏に使っているのは、一見するとギターのように見えるMI Guitarでした。



オモチャのようなギターから本格的な音色が出ており、子どもも興味津々です。



本来のギターはネックに弦が張られており、特定の弦を指で押さえることで、「Cコード(ドレミのド)」や「Dコード(ドレミのレ)」などの音を奏でることができます。電子楽器であるMI Guitarはネックに弦がない代わりに、1フレットごとに6つのボタンが搭載されています。演奏方法はこれらのボタンを押すだけなので、ギター初心者でも演奏が可能になる仕組みです。



本来のギターのように複数の場所を押さえる必要はなく、6つのボタンのうち1つを押さえながらストロークするだけ。これだけで、まるで本物のギターを弾いているような音色を奏でることができます。



押さえるボタンによって音色が変わります。演奏可能なコードはメジャー・マイナー・パワーコード・サスペンデッド・メジャーセブンス・マイナーセブンス・ドミナントセブンスで、全てボタン1つで演奏できるとのこと。



専用の演奏アプリが提供される予定で、スマートフォン・タブレット・PCなどを楽譜のように使うことができます。専用アプリなしで単独で演奏することも可能。



実際に弾いている音色は、ほとんどエレキギターと遜色なし。ボタンを押すだけと言ってもストロークする弦があるので、ギターゲームのコントローラーのような「オモチャ感」もありません。弦をゆっくり弾けば「ポ・ロ・ロ・ロン」と鳴ったり、思いのままかき鳴らせば「ジャーン」と鳴ったりと、音色にメリハリをつけることができます。



演奏した男性は「まるで本物の音色みたいだ!」と興奮気味。



ムービー中で「ギターの演奏は指が痛くなるし弦を押さえるのが難しい」と言っていた女性は、「とっても楽しかった!練習せずに一瞬でギターが弾けて本当に幸せな気分よ」とご満悦の模様。



実際にMI Guitarとアプリを使って、どのように演奏するのかについては、以下のムービーで開発者が解説しています。

Brian - House of the Rising Sun - YouTube

開発者の男性がMI Guitarを実際に演奏して、演奏方法を指南しています。右上に出ているのがMI Guitar専用アプリの画面で、実際にはタブレットなどのディスプレイに表示されます。まずはイントロで、画面には「1の1」という数字が表示されています。これはMI Guitarの赤枠で囲っている「上から1列目の1番目のボタン」を押すという意味。指定のボタンを押さえてストロークすると、「ジャーン」と音色が奏でられました。



1つ目の音色を奏でると、数字がスライドして「3の1」に変化。これに合わせて「上から3列目の1番目のボタン」を押して演奏を続けます。



次は「4の6」になったので、「上から4列目の6番目のボタン」を押さえるということ。指示通りにボタンを変えてストロークしていくだけで、正確なイントロが演奏できています。



イントロが終わるとAメロになり、カラオケみたいに歌詞の色が変わって進んで行きます。歌詞の上にはボタンの番号が書かれており、歌詞の色が変わるポイントでボタンを変えていけばOK。



演奏画面をアップで見るとこんな感じ。専用のアプリから好きなアーティストの曲を検索でき、1曲99セント(約110円)で購入可能。月額5.99ドル(約650円)で全曲を使用することもできます。



MI Guitarの各部位は以下のようになっています。ネックの先端にスマートフォンホルダー取り付け用のアクセサリーマウントがあり、「ミュートバーボタン」もあります。ネックは取り外せるのでコンパクトに持ち運び可能。スピーカーを内蔵しているので屋外でも演奏できます。



裏側にはネックの着脱ボタン、ストラップマウント、バッテリー挿入口。単3電池×8本で3〜6時間演奏できます。



ネックの側面にはフレットごとの数字が書かれています。



ネックの裏側にキーやスケールを調整できる「セットアップボタン」、設定中のエフェクトを表示する「FXインジケーター」、バッテリー残量を知らせるLEDライトがあります。



ボディにはギターと同じ各種つまみや、アンプ接続用の1/4インチジャックコネクタ、ヘッドホンジャック、外部音源を内蔵スピーカーで演奏できる1/8インチ(3.5mm)ステレオミニジャック、MIDI接続用のUSB-Bソケット、DC電源の挿し込み口があります。



カラーはブラックとホワイトの2色展開です。



なお、MI Guitarは製品化に向けて、クラウドファンディングのIndiegogoで出資を募っています。すでに目標額の216%の出資が集まっているので、プロジェクトは成功済み。329ドル(約3万6000円)の出資で「MI Guitar、ストラップ、ピック10枚」のセットをゲット可能ですが、発送できるのはアメリカ国内限定です。ただし、国際発送の希望者向けに49ドル(約5300円)の出資プランがあり、国際発送の準備ができたら、追加で250ドル(約2万7000円)を支払うと、MI Guitarをゲットできるようになっています。別途送料も必要です。

MI Guitarのプロジェクトをシェアすると、MI Guitarが25ドル(約2700円)割引になるキャンペーンも実施中。出資の締め切りは2016年5月20日ごろとなっています。



MI Guitar by Magic Instruments | Indiegogo

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