浙江省の交通警察に所属する孟警官は12月31日、杭金衢高速道路をパトロールしていた。と、指揮センターから連絡が入った。「ドライバーから、衢州方面行き車線の上溪出口の手前で、車にミサイルが当たったとの通報があった」ため、現場に向えとの命令だった。銭江晩報が伝えた。(写真は銭江晩報の4日付報道の画面キャプチャー)

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 浙江省の交通警察に所属する孟警官は12月31日、杭金衢高速道路をパトロールしていた。と、指揮センターから連絡が入った。「ドライバーから、衢州方面行き車線の上溪出口の手前で、車にミサイルが当たったとの通報があった」ため、現場に向えとの命令だった。運転手は車から逃げてしまい、「怖くて近づけない」と話しているとの情報も伝えられた。銭江晩報が伝えた。

 運転手は自分のトラックの100メートル以上後方にいた。事情を聞くと、「ミサイル」が前方を走っているトラックから落ちたという。さらに詳しくは「荷台を布で覆っていたが、布の緩いところから、突然、黄色をした物体が落ちた。ミサイルの形だった。

 物体は自分の運転するトラックの車体の下に潜り込んだ。トタンに「ドン!」という音がして車が動かなくなった。「ミサイルかも? ミサイルに違いない!」と思い、あわてて車を降りて走って逃げたという。

 孟警官は「仮にミサイルを運搬する車両が走行していたとしても、そのような荷づくりをしているはずがない。たぶん、ミサイルではないだろう」と判断して、「とにかく状況を確認しよう。万一のことがあれば、改めて緊急案件として対処すればよい」と腹を決めた。

 孟警官が、走れなくなったトラックの下を見ると、黄色い電柱のような物体があった。片一方の先端は、青い色がつけられていてとがっている。弾頭のように見えなくもない。叩いてみると、外側は薄い鉄板だった。中空らしく、「ゴン、ゴン」とよく鳴った。

 その後の調べで、物体は遊覧船の両側に取り付けられていた装飾用の柱の片方と分かった。警察は、柱を落としたトラックを探している。(編集担当:如月隼人)

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◆解説◆
 笑い話のようだが、上記運転手の反応は「もしかしたら正解だったかも」と思ってしまう状況が中国にはある。まず、直前を走るトラックから転がり落ちた見慣れぬ物体が何かを、瞬時に判断するのは難しいだろう。そして中国では、「考えられない場所」で砲弾などが発見されるニュースが時おり報じられている。

 比較的多いのが、くず鉄などを扱う業者が集めた金属類から手榴弾や砲弾が見つかる例だ。また、北京市警察は2009年に乗客が地下鉄に持ち込もうとして押収した危険物には刀剣類などの他に迫撃砲弾、地雷、手榴弾などもあったと発表した。

 2001年には貴州省南部の農村で、大雨で増水した川に流されてきたとみられる砲弾が見つかった。通報を受けた警察官が駆けつけた時には大勢の人が集まっていた。人々は「中から火薬が取れるかもしれない」などと言って叩き、続いて砲弾を持ち上げて地面い叩きつけている最中だったという。

 危険物が比較的多い社会ならば、「可能であればとにかく逃げる」が正しい対処法と言える。(編集担当:如月隼人)(写真は銭江晩報の4日付報道の画面キャプチャー)