写真はオフィシャルサイトより

 中森明菜(50)が、今度こそ復活する。この噂が立ったのは、11月上旬のこと。6年ぶりに中森明菜のオリジナルアルバムが12月30日に発売となったからだった。

「ナマ明菜今度こそ本格復帰」

 と報道されたことで、ファンは騒然。このアルバムは、企画段階から明菜が関わっているとあって、信憑性も高い。明菜の関係者は、「2016年はさらなる中森明菜へ」をキャッチコピーにすると息巻いていた。

「生放送は無理」紅白、今年は断る

 しかし、その様相はわずか数日後に一変する。11月中旬の公式ファンクラブ『ファイスウェイ』の会報に寄せられた明菜自筆メッセージは、「自分は止まったまま」。なんともショッキングな内容で、全体的に暗いトーンだ。孤独や寂しさをファンに訴える内容となっていた。また、去年大いに反響を生んだ紅白出場も、今年はNHKからのオファーを「生放送は無理」と明菜サイドから断った事実も明かしている。

 さらに9月に発売された新曲『unfixable』のセールス不振にも触れており、「その原因は、PR不足。明菜がメディアにでなかったため、売上げ不振につながった」と、レコード業界は見ており、問われているのは本人の姿勢のようだ。

 しかし、業界関係者からは別の声もあがっている。それは、

「たとえ明菜自身がプロモーションをしていたとしても、売上げはたいして変わらなかっただろう」

 という見方だ。

「確かに、昨年8月のベストアルバム2枚は異例のヒットを見せました。しかし、その後に出した2枚の新曲の売れ行きは思わしくない。やはり、明菜ファンは自分の青春時代を彩った明菜の楽曲を聴きたいのであって、新曲には興味がないという人が多い」(レコード会社関係者)

 そして、シングルの売上げ不振は明菜を追いつめていく。

「明菜は『私を支えてくれているファンの人たちを喜ばせたい、という一心』と、歌とファンへの思いをテレビのドキュメンタリーで明らかにしています。新曲にはEDM(エレクトリック・ダンス・ミュージック)を取り入れるなど新境地に挑戦し、新たな歌を届けようとしている。しかし、ファンがついてこないことは売上げが証明しています。これも精神的に彼女を追いつめている一因でしょう」

 中森明菜の復活を願うファンは、いまでもあとを絶えず、Twitterでもその名は頻繁につぶやかれている。しかしながら、歌が売れない今の音楽業界では、明菜が思い描くような復活はうまくいかないようだ。年末のニューアルバムの売上げ次第では、また雲隠れになる可能性もある。

(取材・文/タナカアツシ)