写真は京都ロフトのTwitterより

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 10月3日、女子フィギュアスケートの浅田真央(25)が国際大会の団体戦「ジャパンオープン」で553日ぶりに競技に復帰。会心のスケーティングで日本チームの優勝に貢献した。

 ジャパンオープンは日本、北米、欧州の男女2人ずつのシングルスケーターで構成される団体戦。2006年に始まって以来、日本は過去に6度優勝しているが、全て浅田が優勝メンバーに入っていた。浅田はいわば「優勝請負人」の形でリンクに戻り、2015年大会で日本に7度目の優勝をもたらした。

 フリープログラムの曲「蝶々夫人」にふさわしく、浅田は和服をイメージさせる衣装で登場。冒頭に高さのあるトリプルアクセル(3回転半)を成功させると、場内は割れんばかりの拍手が起こった。トリプルとダブルのコンビネーションなどのジャンプ、そして表現力豊かなスケーティングで、2014年のソチ五輪で出した自己ベスト(142・71点)に次ぐ141・70点(非公認)を打ち出した。

「完璧」海外からも絶賛の声

 浅田は1シーズン休養したブランクを感じさせないどころか、進化を感じさせるスケーティングを見せた。彼女の演技には、海外からも絶賛の声が集まっている。

「リンクの使い方が以前より上手になっている、衣装も完璧だった、以前より上手になったのでは? と海外の方の意見を多く聞きました。ブランクの心配はなかったですね」(スケート関係者)

 これから始まるグランプリシリーズに向けて、最高の形でアピールできたようだ。

 9月25日で25歳になった浅田真央。10代後半からシニアの試合に出場するフィギュアスケートの世界で25歳はベテランの年齢だ。

 5月18日、浅田真央が座長を務めるアイスショー「THE ICE」の記者発表では、「試合に戻るための練習を始めた」と、ややオブラートに包んだ形で現役復帰を表明した。そこからわずか4か月半、難易度の高いトリプルアクセルを「特別ではない」と言ってのけるまでのコンディションに、どのように仕上げていったのか。

 10月4日、グランプリシリーズの一つ、「NHK杯」の記者会見で、浅田はこう語った。

「今、大人の塗り絵にはまっていて」

 100本入っている色鉛筆を買って、細かい塗り絵に没頭しているという。リラックスしたり、集中力アップと、メンタル面で競技にプラスになる効果があるとのこと。このコメントを受けて、スポーツ新聞がこぞって「大人の塗り絵」を記事の見出しにしたが、浅田のファンたちも、

「バカ売れしそうだから、今のうちに買わなきゃ」

 と、動き出した。事実、京都ロフトのツイッターも、新聞記事が出たタイミングで、3階文具売場の商品「大人の塗り絵」を紹介している。

 今シーズンのグランプリシリーズでは、浅田真央は2012年に優勝した中国杯と過去4度も優勝しているNHK杯に出場する予定だ。浅田が優勝するたびに、大人の塗り絵ブームが拡大するかもしれない。

(文/春山修司)