ただし、それはあくまで「ローカル・ダービー」の域を出ない。歴史を紐解けば、旧ユーゴスラビアのように、独立以降、世界のサッカーシーンから取り残された例もある。時代背景も、独立に至る過程も異なるとはいえ、あれほど栄華を誇ったスペイン代表が、数カ月後には“幻の代表チーム”となったとしても不思議ではない。

「バルサよりも独立の方が重要だ」

 今回の選挙前、地元民の間ではこうした声が多勢を占めたという。そして、ジョゼップ・グアルディオラも、ピケも、独立に賛成の意を表明した。もちろん、サッカーはあくまで人生の一部であり、それ以上でも以下でもない。また、他者がそれぞれの民族感情を理解することも不可能だ。ただし、リーガの風物詩でもある“クラシコ”がなくなるという、その事実を目の当たりにすれば、いずれのサッカーファンも寂しさを禁じ得ないはずだ。

 リーガを運営するスペインプロリーグ機構(LFP)のハビエル・テバス会長は、カタルーニャ州が独立した場合、バルセロナとエスパニョールがリーガで引き続きプレーするためにはスポーツ法の修正が必要だと先に認めている。果たして、法改正は実現するのか。あるいは、何らかの特例によって、“リーガ残留”を認めることになるのか。タイムリミットまで、時間はそう残されておらず、バルサやエスパニョール自身の身の振り方を含めて、今後の展開が引き続き注目される。

(記事/Footmedia)