NHK連続テレビ小説「まれ」「希空〜まれぞら〜」NHK出版オリジナル楽譜シリーズ

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いつものオープニング(希空〜まれぞら〜)がなくて、希(土屋太鳳)が横浜行きの準備をしている情景にキャスト、スタッフクレジットが乗っかることで、これまでとは違う緊張感を漂わす、朝ドラ「まれ」(NHK月〜土 8時〜)第38話。

いよいよ希の旅立ち。
能登の人たちはそれぞれのやり方で送ります。
大人も子供もみんなで「上を向いて歩こう」を歌い、友人たちは餞別をたくさん贈り、みのり(門脇麦)は、高志(渡辺大知)が横浜でバイトしているから頼るようにと、連絡先を希に手渡します。
お店の名前は「天中殺」。微妙に不吉ですが。
圭太(山崎賢人/大の部分は立)は、自分で漆を塗った栄えある第1号の箸を希にプレゼント。
でも希は「ほんならフォークにしてくれたらよかったがに(ケーキをたくさん食べることになるから)」などと言って「おまえそういうこというけふつー」と圭太をがっかりさせますが、あとで大切そうに見つめている希がいじらしい。
徹(大泉洋)は「世界中が希の敵になったとしてもおとうさんは希の味方だ」と芝居がかったことを言い、でも希はその言葉に「安心した」と微笑みます。
別れ際、いつもと同じ態度(話が大げさで中身がない)のほうが気楽だってことでしょうか。
元治(田中泯)は「まずいもの食うな。」と質実剛健な言葉を言いながら塩をたくさんくれて、文(田中裕子)は「私らちはいつでもここにおるさかな」とあたたかい言葉を。
あえて「駄目ならいつでも帰ってこい」とは言わないと決意した藍子(常盤貴子)の気持ちを代弁している感じです。
藍子は目に涙を浮かべながらも、最後の最後まで笑って見送ります。
バスに乗って旅立って行く希の姿に、来た来た、温存していた「希空」がかかり、感情を高めます。
「野菜食べなさい」とか「夜寒かったら靴下2枚履いて寝なさい」とか本当に単純な言葉ばかりを並べる藍子。でも、芝居がかった台詞よりも響きます。いや、お父さんも娘をほんとうに思っているんでしょうけれど。そういう意味で藍子と徹はバランスをとりあっているのかも。
ところで、みのりが、さらりと好きなひとがいると告白していましたが、彼女の言う「まんでいいおとこ」とは誰なのか? それが明かされるのは第9週のようなので、楽しみ。
(木俣冬)
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