このたび日の丸を背負うことになりました、オードリー春日でございます。トゥース!

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「わたし敗者復活得意なんでね。敗者復活で出てきたんで。」

お笑いコンビ・オードリーの春日俊彰(36)が、6月6日にイタリア・ラヴェンナで行われる「フィンスイミング ワールドカップマスターズ大会」へ日本代表選手として出場する。

都内にて行われた報告会見。「JAPAN」のユニフォームに身を包み、フィンを肩に背負って、春日はゆっくりと会見場に現れた。満面の笑みでトゥース!をかまし、大きなフィンをあちこちにぶつけながら着席する。

フィンスイミングは、フィンと呼ばれる足ひれを装着して泳ぐ水泳競技。TBS『炎の体育会TV』の企画で昨年10月から本格的に取り組み、半年に及ぶ特訓を積んだ。

「番組で、日本代表の藤巻紗月選手と対決をしまして。初めてやったんですけども、意外にできるなと。そこから本格的にやろうじゃないかと。ま、一言で言ったら、才能があったんでしょうね(笑)」

今年3月に、W杯の代表選考も兼ねて開催された「第4回 フィンスイミング ジャパンオープンマスターズ大会」では2種目にエントリー。
息継ぎなしで泳ぐ「50m アプニア」では、日本代表の合格ラインである2位をマーク。喜びを爆発させたものの、結果は「フォルススタートで失格」。まさかのフライングだった。
気を取り直し、シュノーケルを装着して泳ぐ「50m サーフィス」に挑むも、慎重になったのか出遅れる。3位に食い込んだものの、代表入りには届かなかった。

しかし、状況は一転する。
4月末、「50m サーフィス」で日本代表に決定していた上位の選手に欠員が生じ、3位入賞の春日が繰上げに。めでたく「敗者復活」となったのだ。
春日には、4月30日の『炎の体育会TV』の収録時に発表されたという。前回のVTRを振り返りつつ、実は……! という、ドッキリの形だった。

「その場で通知をもらいましてね。そこに『日本代表になる意思があれば返信ください』ってあってね。期日が収録の日。撮ってる場合じゃねぇだろ(笑)連絡したのかって話ですよ」

3月の試合で代表に落ちたと思ったので、それ以降練習は全くしていなかったという。そもそもアプニア1本で練習していた。

「サーフィスの方はは全くといいほど練習していないんですよ。アプニアに絞って半年やっていたんでね。そのへんでは伸びしろがあるというか、6月までどれだけ練習できるかということだと思いますね」

現在、春日の50mサーフィスのベストタイムは、前回W杯の5位レベル。銅メダルまであと0.3秒。本格的に練習していない種目でこのタイムである。

アメフト出身で知られる春日だが、中学時代は水泳部に所属していた。
ブレイク前の2006年、テレ朝『Qさま!』の企画で安田大サーカス団長らと共に潜水競技に挑戦。当時の日本5位(110m)の記録をマークしている。
記録にこだわるあまり無理をして、プールで失神してしまうこともあった。失神で失格しているのに審判に「アイムオーケー」とアピールした話は、のちに相方・若林正恭によってフジ『人志松本のすべらない話』で「オーケーじゃないだろ」とネタにされている。
その後、潜水を披露する機会はテレ朝『いきなり!黄金伝説。』で素潜りをするくらい。八丈島のベテラン海女と潜った時は熟女好きの血が騒ぎ、猛アピールも忘れなかった。

その春日が再びプールに帰ってきた。今度は日本5位じゃない。日本代表である。熟女もいない。

会見では「一番いい色のメダル」「最高でも金、最高でも金」「決まりましたね」と名言をパクりながらも強気の姿勢。大会が行われるラヴェンナについては「どこでしたっけ?」と見失いながらも、「イタリア女性も放っておかないでしょうね」と余裕の構え。
一方、メダルを意識するせいか「国民の期待に応えないと」「春日はもう一人の体じゃない」「立ち読みもできない」「ヤバいぞ。遊びじゃないぞと。いやもともと遊びじゃないんだけど」と、プレッシャーと闘う様子も見せた。

意気込みをギャグで、というムチャぶりには、やおら立ち上がり、「フィン!フィンフィンフィン!」とカスカスダンスならぬ”フィンフィンダンス”を披露したが……。

「こんなにフラッシュをたかれるとはね……」「放送されるなら笑い声を足していただきたいな……。音が出ない媒体の方は「爆笑を誘った』と書いてもらえれば……」「日本代表の取り消し要項の中に『ギャグで滑った』はなかったと思うんですがね……」と、笑いのほうは弱気な姿勢。メダルが取れなかった場合の公約も「大喜利番組に一人で出る」とし、「とんでもない罰」と自虐的なコメントを残した。

冒頭の発言の「敗者復活」は、2008年にM-1グランプリにて敗者復活で勝ち上がったことを受けてのこと。オードリーがブレイクするきっかけとなった出来事だ。
M-1では敗者復活から決勝ステージまで進んだものの、惜しくも優勝は逃している。フィンスイミングでは敗者復活のチャンスをものにできるか。春日が「まだ知らせていない」「この報道で知ることになると思う」という、相方・若林の反応も気になるところだ。
(井上マサキ)