『NHK連続テレビ小説 まれ ノベライズ』上/NHK出版

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突如として朝ドラ「まれ」(NHK月〜土 朝8時〜)がシュールな様相を呈してきました。22話で犬の声がベタ過ぎると指摘したばかりだったのに!
4月24日放送23話の、便器を磨きながら「ビジネスチャンスは規則の外にあるんだよ」と言う徹(大泉洋)の言葉は、実績のない彼が言うので説得力いまいちとはいえ、一般論としては真っ当です。
が、その後、
希(土屋太鳳)と圭太(山崎賢人/大でなく立のほう)が、顔を合わせれば口論になってしまうため、意地を張って「かもめー」「タイヤー」「かもめー」「タイヤー」と大声でかもめやタイヤに話しかけたり、文(田中裕子)が、引っ越してしまった希たち津村家を避けるようになり、希が訊ねてくると家の押し入れに隠れていて、みつかったら相撲の押し出しのようなポーズで出てきたりするなど登場人物の言動が少々おかしなことに。
文はさらに、希に息子・哲也(池内博之)ともう一度向き合うように言われると、「こうなったら文さんクイズや」と謎めいたことを言いだし、そこで次回につづく。これってシュール過ぎ。いったい、なぜ!
まさに、ビジネスチャンスを規格の外に求めた結果というよりも、哲也の好物である文特製のさくら餅の隠し味が、元治(田中泯)の塩田の塩だったエピソードがいい話過ぎて、脚本家が照れてしまった結果と思いたい。
「かもめー」「タイヤー」も照れの現れですし、文が希たちからひたすら逃げまくっている姿も、徹が市役所の掃除の仕事を人に言えないでいる姿も、「まれ」の人々はみんないじらしい。
希は、京極(内田慈)のわがままにキレて、本音を吐露してしまった後で、圭太に耳の痛いことを包み隠さず言われたときには、オブラートに包むのが社会人であると諭そうとし、本音の出し方の難しさを学習中のようです。本音は文の隠し味くらいにとどめておくのがいい塩梅なんでしょうか。
それにしても文さんクイズって何? (木俣冬)

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