【ファンキー通信】1R生き残れば100万円

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 1ラウンド生き残れば100万円! こんなボクシングが帝拳ジムの本田明彦会長のアイデアのもと、9月25日に横浜アリーナで「World Premium Boxing」として行われる。

 「1ラウンドKOを逃れたら、賞金100万円」という前代未聞の賞金マッチの行方に今、全世界が注目している。

 「KOダイナマイト」の異名を持つ、ベネズエラのエドウィン・バレロ選手(23)。ベネズエラ・アメリカ・アルゼンチンなどで対戦し、15試合連続1ラウンド3分以内でKO勝ちという世界記録を持つ男。

 向かうところ敵なしの状態で、今年の8月に帝拳ジムへ満を持してやってきた。そしてこのほど、日本人の阪東ヒーロー(フォーラムスポーツ)が対戦相手として名乗りをあげた。

 「対戦相手を日本人にすれば、観ている人がより興味を持ちますし、どのくらいの力かわかるはずですから、日本人選手を公募しました」(帝拳ジム 本田会長)

 ところで、1ラウンドKOというのは、どのくらいすごいことなの? そこで元WBA世界ジュニアミドル級チャンピオンの輪島功一さんにお話を伺った。

 このたび、15試合連続1ラウンドKOをしたバレロ選手がやってくるのですが・・・

 「え! それは素晴らしいことだね〜。KOというのは、『相手を倒す』ということ。KOできる選手は、それだけ自分に恵まれたものがあるってこと。きっとバレロ選手は、パンチ力はもちろんのこと、リーチや背も高いんじゃないかな。恵まれた身体能力に加えて『こうやれば、こう勝つんだ』という気迫がKO記録につながっていると思うね」(同)

 1ラウンドで相手をしとめ続けるというのは、身体能力に加えて、精神力や気迫、知力を総動員しているからこその結果だという。

 どうすれば挑戦者は1ラウンドで生き残ることができるでしょうか?

 「1ラウンドで3ラウンドのスタミナを使うつもりで、自分の持っている力を出し切ることだね。逃げ腰ではダメ。向かっていくことが重要だよ。距離をとらせないことが相手のパンチを打たせないことにつながるはず。駆け引きも重要。ボクシングは思った以上に頭を使い、計算をするスポーツなんだよ」(同)

 かつて「不可能を可能にする男」と呼ばれた輪島さんの言葉が熱くこだまする。
9月25日の試合は、「KOダイナマイト」バレロが勝つのか、それとも日本人挑戦者坂東ヒーローが勝つのか。100万円の行き先とあわせて注目したいものだ。(文/verb)