1908年3月8日にニューヨークで、女性労働者が婦人参政権を要求してデモを起こしたことがきっかけで、3月8日が「国際女性デー」と定められていることをご存知でしょうか。この日は毎年、女性の権利と世界平和を目指すために世界各国で記念行事や催しが開催されています。

そんな中、今年の国際女性デーでは、UNウィメンの親善大使として「He For She」活動を推進し、新しいフェミニズム運動への参加を呼びかけているイギリスの女優エマ・ワトソンがフェイスブック上で男女平等についてのQ&Aを行いました。

一方的にではなく互いに協力しなければ高くは飛躍できない

エマは、「私たちはお互いにサポートし合わなければ、絶対に絶対に高く飛躍することはできない」と、良い世の中にするには男女は敵対する関係ではなく協力体制を取ることが必要不可欠だと強く語りました。

また、「男性が女性を助けなければいけない、というのは誤解」とも主張。女性が男性の中に入っていくのではなく、男女が共存する社会だからこそ、どちらか一方に傾く力関係が働くと認識するのは違う、と持論を展開しました。

さらに「平等を支持するのであれば、あなたはフェミニストです」と訴えました。“フェミニスト”という言葉は女性のためだけにあるのではなく、男女ともに通ずる考え方のひとつであると述べています。

現在、男女不平等は女性だけなく、男性も受けている

そして、男女の関係を鳥の羽に例え「飛ぶためには両方の羽が必要なのに、このところはどちらかの羽がはぎ取られてしまっている。これでは高くは飛ぶことができない」と昨今の男女不平等の現状を指摘。

さらには「“男性は泣いてはいけない”という考え方には違和感がある。自分を表現することは大切」と、女性だけでなく男性もレッテルを押し付けられている差別的な側面があることも訴え、男女ともに人間らしくいることが何よりも素晴らしいと語りました。

エマだからこその説得力のある発言に世界中が注目

12歳で映画「ハリー・ポッター」のヒロイン・ハーマイオニー役で華々しくデビューしたエマですが、幼い頃から特殊な業界にいたせいで「他の人達と真逆の人生を歩んでいるのではないか」と葛藤していたことも、過去には明かしています。そして女優引退を考えるほど、映画のイメージによる自分自身の虚像に悩んだり、キャリアを積めば積むほど自分に自信が持てない状況に陥ったと言います。

そんな「自分らしさとは何か」を常に考え、困難を乗り越えてきた彼女だからこそ、今回の熱弁は世界中の人に共感や新たな気付きを与えるものとなっているようです。彼女の活動や発言には、これからもますます注目したいところです。

(笹崎ひかる)