――今までは大勢のグループの中の一人だったので、ある意味、自分にはあまり興味がないお客さんの前でも演じなければいけなかったのが、会場全体が自分一人を目当てに観に来るという状況は如何でしたか?

板野:AKB48のメンバーだった頃は、誰のファンとか固定で決まっていたので、それが全員が自分のファンという。全員が自分のグッズを持ってくれていて、一点集中型で、すごく嬉しかったですね(笑)。

――ツアーの模様がブルーレイとDVDとしてリリースされていますが、一人で全てやらなきゃいけないというプレッシャーもありつつ、20曲近く歌って踊って、かなり激しく動いているにも関わらず、あまり汗をかいたりしないのに感心しました。

板野:そうなんです(笑)。私、夏でもあまり汗をかかなくて。特に顔にかかないんですよ。多分ダラッとじゃなくて、ジワジワかいてる感じです。AKB48にいる頃から「メイクが落ちないから、すごく羨ましい」と言われてました(笑)。

――余裕だなと。

板野:余裕は無いです!着替えの時とか結構、「ヤバいヤバい」みたいな。東京と大阪の公演が1日しか間がなかったり、体調面でもギリギリだったので、もっと基礎体力を付けた方がいいなと思いました。

――そういう所を感じさせないのが、また板野さんらしいのかも知れませんね。

板野:だから最近はジムで走っていて。ずっと何曲やっていても息を切らさないで、完走できるぐらいに。

――今回のシングル「COME PARTY!」は今までとはまたイメージが異なりますが、AKB48在籍時にソロデビューした時と現在とでは、やりたい音楽性が変化してきていますか?

板野:ソロデビュー当初、AKB48にいた時は「こうありたい」というのがすごく強くて。可愛らしいアイドルのイメージが強かったので、反発もあったのかもしれないけれど、格好いいとか、大人っぽかったり、AKB48とはまた違った私を見せたいという想いがあったんです。

でも、AKB48を卒業して、やっていく内に色んな私を見せていった方がいいなと感じるようになって。一方向から追求しても、一つの私しか見せられないと思ったので、今回の「COME PARTY!」は、ミュージックビデオもすごくはしゃいで、楽しんでいる感じだったり、今までにないものを作ろうということになりました。

自分が「こうしたい」だけじゃなくて、人から「もっとこういう自分を見せていけばいいんじゃないの?」と言われたこととか、ファンの方が「もっとこういうのが見たい」と言ってくれたこととかをどんどん取り入れて。逆に、今までとは違う私を出していった方が、面白いんじゃないかなと思えるようになったので。それはソロになってすごく変わったことだと思いますね。