素材と輝き、技術は世界一で、本当ならダイヤモンドブランドの王道になるはずだったのに・・・。プロモーション不足だったせいか、マイナーブランドになりつつある “エクセルコ”。ダイヤモンドの歴史を変え、ダイヤモンド業界に新たな価値まで作り出したのに知られていない“エクセルコ”って一体――。

有名になったキッカケ

 日本では知る人ぞ知るブランドであったが、一時期マスコミを賑わせたことがあった。それは2007年6月、世界的に有名な国際強盗団「ピンク・パンサー」に襲われたことがきっかけだった。3億円相当の「ティアラ」をたった30秒の間に盗まれてしまったのである。しかも店は、銀座の一等地で交番が隣という極めて安全な立地にあるにもかかわらず、だ。

ピンク・パンサーという強盗団は高額な宝石だけを狙うことで有名らしく、パリでは95億円相当の宝石のみを狙ったりしている。“エクセルコ”が狙われたのは3億円相当の「ティアラ」であり、図らずも商品の質の良さがアピールされてしまった。

このエピソードだけでも、「しっかりして!」とツッコミを入れたくなるが、さらにポジティブすぎないかと笑ってしまうエピソードがある。この事件直後、“エクセルコ”創業家、トルコウスキー家の現在社長、7代目ジャン・ポール・トルコウスキーと隠しカメラに写っていた犯人が似ていたことから部下たちに「自分の店襲うなよ! と仲間に言われちゃったよ」と笑い飛ばしていたという。悲しい事件から、部下を元気づけようと気を遣った社長であったが実にポジティブすぎる(笑)

すごすぎるのに知られていない歴史

“エクセルコ”は200年前にベルギーのアントワープで創業された老舗ダイヤモンドカッターファクトリーだ。

トルコウスキー家がダイヤモンド業界に与えた功績は、実はあまり知られていない・・・。なぜ知られていないのか。それは4代目のマーセル・トルコウスキーまでさかのぼらねばならない。

彼はダイヤモンドを最も美しく輝かせるカッティング技法として写真(ダイヤモンドと聞いて誰もが思い浮かべるあの形58面体)の「アイディアルラウンドブリリアントカット」を考案した天才だった。100年以上経った現在も、未だにこれ以上の輝きを引き出せるカットは存在していないという。



しかし、マーセル氏はこの自らが発案した「ブリリアントカット」を世の中に広げたい一心で特許をとらなかったのだ。「ブリリアントカット」=「トルコウスキー家」と知名度を高めることに興味が無く、ダイヤモンドの技術の発展と人々の幸せを願っていたという。
ダイヤモンド業界には、「硬さ」「大きさ」以外にダイヤモンドを評価する基準「輝き」という概念を与えた。そんなマーセル氏の努力があり、「ブリリアントカット」は女性にとって最もスタンダードで憧れのマリッジリングとなった。現在では、沢山のブリリアントカットのリングがグラフ、デビアス、ティファニーやカルティエといった有名ブランドの店先に堂々と並べられている。一方で、特許をとらなかったから、トルコウスキー家が果たした功績だと知っている人は少ない。

また、トルコウスキー家の中でもマーセルを超える天才カッターと称された人物、6代目ガブリエル・トルコウスキー。彼は、世界最大のダイヤモンド、ゴールデン・ジュビリー(大きさは545.67カット)を研磨する職人に選ばれたのだ。彼をはじめ、英国王室やベルギー王室からもジュエリーを依頼されるほどの、洗練された職人がいるのもあまり知られていない・・・。


そして現在

 ここまで読んでお分かりの通り、プロフェッショナルな職人集団であるため、ビジネスを二の次にしてきた。消費者としては、ダイヤモンドを熟知した職人が創り出す商品をより特別に想い、魅力的に感じる。しかし、会社としてはこのままでは遅れをとってしまうかもしれない。例のピンク・パンサーに間違えられた、現在7代目ジャン・ポール・トルコウスキーは、新たな挑戦をした。


ボツワナに巨大ファクトリーを建設し、原石の鉱山からお客様に手渡すまで、全て“エクセルコ”で完結するインフラを整えたのだ。さらに、ボツワナの現地スタッフには、2年間の教育プログラムを通して一人前の技師に育てる機会を与え、家族が病院や学校に行ける環境を提供し、手厚くサポートしているらしい。ここまでして大丈夫なのか、ジャンポール氏いい人すぎでしょと心配になってしまうが。

しかし、全て自社で完結させたことで、有名ブランドと同じクオリティのジュエリーを、一般の方でも求めやすくすることに成功した。恐らく価格は有名ブランドの1/3〜1/4ではないか。

ジャンポール氏は、現在でも商品になるダイヤモンドをひと粒ひと粒自分の目で確かめてお客様に届けている。プロモーションは、ちょっぴり下手だけど、こんなにダイヤモンドにひたむきで、純粋無垢なブランドは他にあるだろうか。
不器用だけど、商品は間違いなく一流、そんな“エクセルコ”に触れてみてはいかがだろうか。

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『エクセルコ公式サイト』