卵のうわさについて真偽を調べてみました!「たまに有精卵も交じっている?」「卵は1日2個まで食べてOK?」

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安くてどんな料理にも使え、なおかつ栄養価も高い「卵」。「卵料理大好き!」という人も多いと思います。この卵には、都市伝説のようなうわさ話がいくつもあります。例えば、「市販の卵の中には有精卵がたまに交じっている」というもの。このうわさは本当なのでしょうか?

■可能性はゼロではないけど……

卵にまつわる真偽を確かめるために、日本養鶏協会の山上さんにお話を伺いました。

――市販されている一般的な卵の中に、「ひよこにかえることが可能な有精卵が交ざっていることがある」という話を聞いたことがあるのですが、これはあり得ることなのでしょうか?

山上さん 「あり得ない」とまではいきませんが、交ざっていたとしてもかなり低い確率でしょう。ただ、それも養鶏場の形態にもよります。有精卵というのは雄と雌が交尾しないと産まれないものですから、雌しかいない養鶏場では有精卵が産まれることはありません。

――なるほど。雄と雌がいる養鶏場の卵なら有精卵が交ざっているかもしれないんですね。

山上さん 例えば有精卵生産農場であっても、普通の卵も生産していて、有精卵がまぎれ込んだと思われるケースもあるようです。実際に私どものところに「卵に血のリングのようなものがある」と問い合わせがあったこともあります。血液リングは卵からかえろうとする初期段階で死んでしまった時にあらわれるものですから、それは有精卵であったということなんです。

――実例もあるんですね。例えば、交ざっている有精卵を温めてふ化させることは可能でしょうか?

山上さん もし有精卵が交ざっていたとしても、ふ化させることは非常に難しいですね。

――それはなぜでしょうか?

山上さん 保存条件が難しいからです。15度前後で保存すればしばらくは大丈夫ですが、それ以外の条件だと何日もたたないうちにふ化させることはできなくなります。

――その条件を考えるとほとんど駄目ですね。

■卵はいっぱい食べても大丈夫

――ちなみに、有精卵と無精卵では味の違いはあるのでしょうか?

山上さん 同じ配合飼料を食べている鶏の卵でしたら、そこまで大きな違いはありません。味覚の鋭敏な人なら多少の違いを感じる人もいるかもしれませんが、基本的には違いはないですね。もちろん、鶏の種類が違ったり、食べているものが違うのなら話は別ですが。

――よく卵をいっぱい食べると健康に良くないなんて話もありますけど、これは本当ですか?

山上さん いえ、健康な人でしたら、何個召し上がってもらっても大丈夫です。健康に害はありません。アレルギーで、卵のタンパク質に過剰な反応を起こす人は食べない方がいいですが、一般的には卵を食べ過ぎて良くないことが起きることはまずありません。

――何十個も食べるのは論外ですが、常識の範囲内ならいくつ食べても問題ないのですね。


一般的に売られている卵でも、「有精卵が交じっている可能性がないとは言い切れない」とのことでした。保存条件やどうやって見分けるかの問題もありますけど、根気良く探して温めていれば、いつかひよこになる卵に巡り合えるかも!?

(貫井康徳@dcp)