(C)2012「るろうに剣心」製作委員会

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 今から140年前――動乱の幕末。最強の暗殺者と恐れられ“人斬り抜刀斎”と呼ばれた男がいた。神よりも速く、修羅よりも強い、維新の志士。一対多数の戦いを得意とし、剣を抜いたら最後、生き残る者はない。戦いが終わり、明治という新しい時代が訪れ、「最強」の伝説だけを残して、抜刀斎は姿を消した――。

 映画『るろうに剣心』が8月25日に公開となる。誰もが知る大ベストセラーコミックの一つを、佐藤建、武井咲、蒼井優、江口洋介らをはじめとした、豪華キャスト陣で実写映画化したことで話題を呼んでいる。だが、この映画、キャストだけではなく“監督”にも大きな鍵があるようである。

 監督は、NHKにて「ちゅらさん」シリーズ、「ハゲタカ」「龍馬伝」などの演出を手掛けた大友啓史。イタリア賞、放送文化基金賞、ギャラクシー賞、国際ドラマフェスティバル優秀賞など国内外の賞を多数受賞した経歴を持っている。この大友監督に対するキャストたちの信頼が半端ない。

佐藤建:大友監督の一番の魅力は、役に対してすごく信頼してくださるということです。細かい指示もなく、自由にこの場を役として生きてくれ、というスタイルなので、こちらもやりがいを感じます。

武井咲:本作のように「長回しで何度も何度も撮っていくというのは、初めての体験でした。でも、後半になっていくにつれて、生々しい芝居になっていくし、どんどん感情も入ってくるし、役が自分になじんでくる瞬間みたいなものが生まれる時があると監督から聞いて、私もそれを現場で感じました。

吉川晃司:フリーの監督なんてなかなかできることではないですよね。重心が定まっていないとできない。腹がすわってないとできないと思います。

蒼井優:大友組を経験すると人をマイナス思考にさせない、タフにさせてくれる現場だなという印象です。

青木崇高:監督は「何でもやっちゃって!動いて、何でもありだから好きに動いて!」が口ぐせなのですが、本当に好きに動いてるわけではなくて、ちゃんと自分が役について考えているか試されている感じがしました。毎回同じ動きでなくてもいいので、タイミングもずれていくのですが、そういうところで生まれるアクシデントが監督は大好物で、そこが人間らしさが生まれる瞬間なんです。

江口洋介:普段はカメラマンや他のスタッフの位置を考えて芝居をしていますが、どこから撮っているかわからないので、そういうことを一切考えないままワンシーン撮影をしたんです。そのとき感じた感覚には鳥肌が立ちましたね。監督の話では、ハリウッドにそういう撮り方をする先輩がいて、僕はそれを習っただけなんだということですが、やっぱり、こちらも感性だけの計算外のお芝居ができるのっで、すごく面白いです。

香川照之:ハリウッドで学ばれたということもあると思いますが、日本のサイズでは収まっていなくて…切り取り方が正しいんですよね。それは、なかなか日本の監督ではお目にかかれないです。

 キャスト陣のコメントから、信頼を持って自由な演技ができたことがわかる。完成した映画がどの様なものになっているのか期待したい。『るろうに剣心』は、2012年8月25日公開。

MOVIE ENTER特別記者:菅田賢司

30代男子の飲み会ネタになるエンタメ情報を中心に執筆活動中

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