中国と韓国がともに領有権を主張する蘇岩礁(韓国名:離於島)問題が中韓関係に影を落としつつある。中国網日本語版(チャイナネット)によると、吉林大学国際政治学部の王生教授は「蘇岩礁問題は尖閣諸島(釣魚島)問題を教訓に事前の準備をすべき」と主張した。以下は同記事より。

 蘇岩礁は地理的に韓国に近く、これが韓国が蘇岩礁を韓国領と考える最大の根拠になっている。韓国メディアによると、蘇岩礁は中韓両国の排他的経済水域(EEZ)が重なった場所に位置し、朝鮮半島の最南端にある馬羅島(マラド)から149キロ、中国の舟山群島のもっとも東側にある童島から287キロ離れている。中間線を境界基準とすると韓国のEEZ内に入る。

 ただ、中国海洋発展研究センターの郁志栄研究員は距離が遠い、近いは蘇岩礁の帰属を区分する主要な根拠にはならないと主張、「海岸線は海島岸線と大陸岸線の2種類にわけられる。海島岸線の区分的地位としては大陸岸線には及ばないが、韓国が根拠としているのはまさに海島岸線である一方、中国側の根拠は大陸岸線で、国際慣例の多くが採用している原則でもある」と指摘した。

 また、中央党校国際戦略研究所の朝鮮半島問題に詳しい張〓瑰(〓は王へんに「連」)氏は12日、「蘇岩礁問題は尖閣諸島のような過度な正面衝突はまだない」と指摘したが、すでに中韓関係の懸念要因となっている。

 吉林大学国際政治学部の王生教授は、「韓国のナショナリズムの高揚とメディアの報道で蘇岩礁問題が浮上してきている。中国は尖閣諸島を教訓に、理論研究と対応策を事前に準備する必要がある」と主張した。(編集担当:米原裕子)