伸びしろの少ないJ2。下部リーグの存在意義はどこにあるのか？【加部究】
■ベンチ入り選手の平均年齢
味の素スタジアムで、久々にＪ２を２試合立て続けに取材した。首位のＦＣ東京を筆頭に、栃木、東京Ｖ、北九州と４チーム全てが１ケタ順位にいるが、いずれもベンチ入り平均年齢が26歳を超えていた。
実はここに日本サッカーの最大の問題点がある。平均年齢が26〜27歳と言えば、ほぼ完成されたチームだ。もちろんＦＣ東京は「すべてが整ったＪ１規模のクラブ」（北九州・三浦泰年監督）なので例外になるが、Ｊ１下位からＪ２にかけての降格や昇格を争うチームに伸びしろが少な過ぎる。Ｊ１もＪ２もあまり補強の仕方が変わらず、現状ではむしろＪ１の方がユースや高校出身の選手たちに積極的なアプローチをしている。これではＪ２から昇格するチームが、Ｊ１に新しい旋風を巻き起こすことは出来ない。
■有望な素材に無駄な停滞期間
結局高卒年代でＪ１クラブに入っても、開花するのはＪ２のクラブにレンタルしてからというケースがあまりにも多い。現在日本代表に選ばれているハーフナー・マイクは横浜から鳥栖に移籍して変貌を遂げたし、同じく李忠成も柏がＪ２に落ちたシーズンにレギュラーを獲得しブレイクしている。
水沼宏太や斉藤学などの元横浜勢も、Ｊ２のクラブでコンスタントにプレーするようになってから五輪代表候補に食い込んできた。つまりＪ２クラブが資金不足を理由に育成に目を向けようとしないから、18〜20歳前後の多くの有望な素材に無駄な停滞期間ができている。またそういう例を見ているから、高校やユースの選手たちもプロを回避して大学進学を選択する。
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実はここに日本サッカーの最大の問題点がある。平均年齢が26〜27歳と言えば、ほぼ完成されたチームだ。もちろんＦＣ東京は「すべてが整ったＪ１規模のクラブ」（北九州・三浦泰年監督）なので例外になるが、Ｊ１下位からＪ２にかけての降格や昇格を争うチームに伸びしろが少な過ぎる。Ｊ１もＪ２もあまり補強の仕方が変わらず、現状ではむしろＪ１の方がユースや高校出身の選手たちに積極的なアプローチをしている。これではＪ２から昇格するチームが、Ｊ１に新しい旋風を巻き起こすことは出来ない。
結局高卒年代でＪ１クラブに入っても、開花するのはＪ２のクラブにレンタルしてからというケースがあまりにも多い。現在日本代表に選ばれているハーフナー・マイクは横浜から鳥栖に移籍して変貌を遂げたし、同じく李忠成も柏がＪ２に落ちたシーズンにレギュラーを獲得しブレイクしている。
水沼宏太や斉藤学などの元横浜勢も、Ｊ２のクラブでコンスタントにプレーするようになってから五輪代表候補に食い込んできた。つまりＪ２クラブが資金不足を理由に育成に目を向けようとしないから、18〜20歳前後の多くの有望な素材に無駄な停滞期間ができている。またそういう例を見ているから、高校やユースの選手たちもプロを回避して大学進学を選択する。
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■著者プロフィール
加部究
1958年生まれ。東京都出身。立教大学を卒業後、スポーツニッポンへ入社。ワールドカップを取材するため会社を3年で退職。以降、1986年メキシコワールドカップから6大会連続で取材を行っている。近著に『ワールドカップ全史』(コスミック出版)がある。2011年9月より、公式メールマガジンを創刊した。
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