ACL準々決勝が行われ、セレッソ大阪がアウェイで全北現代に1−6で惨敗した。相手のラフプレーに不満を述べる声も多数聞かれるが、それを差し引いても、6失点は言い訳無用の完敗だ。率直な感想として、もっと取られていてもおかしくなかった。

この結果に対しては、冷静にKリーグのクラブとJリーグのクラブの差を考える必要があると思うね。

試合中、まず感じたのが、外国人選手のクオリティの差だ。日本人選手と韓国人選手の能力に、それほど開きがあったとは思えない。全北現代の攻撃は、ほとんどブラジル人選手の個人技、スピードに基づいたもので、ブラジル人同士で攻撃を組み立てていたね。

日本も韓国も、どちらも企業を母体とするプロスポーツだから、クラブの経営は親会社の経営状況に依っている。長引く不況で体力の低下した日本の企業、それに付随するJリーグのクラブは、たとえば浦和で活躍したワシントンクラスの選手を獲得する予算がない。勢いのある韓国企業のほうが、いい選手を獲ってくるのだ。

もう一つ、Kリーグは14チームで戦っており、なおかつJ2に当たる2部リーグがない。エリート制の色濃い韓国社会ならでは、実に競争の激しいリーグだ。だから、選手たちはより一層結果にこだわるし、プレーも激しくなる。そして14チームという小さい受け皿から溢れてしまった選手、あるいはもっとお金を稼ぎたいという選手が、日本へやって来る。後者は助っ人外国人として迎え入れられるから、当然一般的なJリーガーよりも年俸が高くなるが、そうはいってもそれほど高額ではないから、Jリーグクラブにとってはいい買い物になる。

プロという競争社会におけるハングリー精神は、韓国人選手のほうが強いのだ。クラブの経済力、選手の精神力という点で、彼らはJリーグに勝る。

8月の日韓戦での3−0の勝利は、忘れたほうがいい。ごく一部のサポーターによる横断幕の問題よりも、僕は6失点の意味を考えるべきだと思う。