親善試合だったとはいえモヌメンタルスタジアムという歴史ある聖地で大ミスを含む4失点でアルゼンチン代表に敗れたスペイン代表。前半開始早々の集中力の欠如やW杯チャンピオンとしての誇りを欠いた戦い振りをスペインメディアは取り上げ、批判している。

 ホームで戦うアルゼンチン代表は、W杯で屈辱的な負け方でドイツ代表に敗れていたため、W杯王者のスペイン代表との対戦はモチベーション十分。マラドーナ監督の下では招集されなかったカンビアッソやサネッテイなどベテラン勢も戻り、安定した守備からメッシ、イグアイン、テベスを中心とする素早い速攻により前半で勝負を決めた。

 一方、リラックスモードとはいかないまでも、アルゼンチン代表相手にプレッシャーも弱いスペイン代表。スタメンメンバーも大幅に入れ替わっていたためかコンビネーションも曖昧。中盤で奪われカウンターを食らうと全てゴール前まで侵入されるお粗末なディフェンスが目立った。

 2失点を喫した後の駄目押しは、GKレイナが左足でクリアしようとしたが滑ってしまいこれをテベスが見逃さず押し込んだもの。アクシデントだったとはいえ、対アルゼンチン代表戦、そして超満員のモヌメンタルスタジアムではあまりにも恥ずかしすぎる失点だった。

 W杯チャンピオンとして今後も受けて立つ立場となるスペイン代表。スペイン国営放送TVEで解説を務めたビクトル・フェルナンデス氏も。「常にチャンピオンとしての戦いが要求される」と警告した。とは言うものの、「3度ポストに当てるなど不運もあったし、後半はチャビの投入で良い形が増えた」と試合を振り返っている。

 お粗末な試合をしてしまったスペイン代表。ユーロ予選がすでに始まっている中、この試合を教訓として再びW杯王者としての戦いを期待したい。

(スペイン通信)