イタリア代表のマルチェッロ・リッピ監督が、チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦について解説してくれた。レアル・マドリーとバルセロナの2チームは勝ち上がると予想した同監督は、ミラン対マンチェスター・ユナイテッド、インテル対チェルシーについては、バトルになると考えているようだ。

「こういう試合ではホームの有利などない。だから、レオナルド監督率いるミランは、まず失点しないことを願うべきだ。1−0で勝てれば大勝利だね」

――そのミランで鍵を握る選手は?
「パトのスピードは違いとなるが、ネスタがいるとミランはほぼ常に勝っている。これは偶然じゃない。ネスタはルーニーという台風を抑えられるよ」

――ミランはベストのロナウジーニョを取り戻しました。
「レオナルドの功績だ。彼の周囲に『良い感じ』をつくったんだよ。ロナウジーニョが抱えていた問題はテクニックではなく、精神的なものだった」

――ファーガソン監督はクリスティアーノ・ロナウド不在をうまく管理していますね。
「普通のことだ。彼の仕事はどんな優秀な選手よりも価値がある」

――危険なのはルーニーです。
「そのとおり。だが、スコールズにも注意だ。彼と、ケガしてしまったがギグスが、マンUの魂だよ」

――今日はリヨン対レアル・マドリーの一戦もあります。
「批判の嵐に耐えたペジェグリーニ監督に賛辞を送らなければいけない。レアルはチームになった。もはや優秀な選手たちのグループというだけではない。夏の時点では、ヨーロッパで勝つには1年必要だと思ったが、考えを変えた。レアルはすでにスーパーだし、カカーはこのCLでキングになれる」

――17日はバイエルン・ミュンヘン対フィオレンティーナです。
「ヴィオラは悪いタイミングでバイエルンと対戦することになった。ファン・ハールは本物のグループをつくったね。バイエルンは優勝もできる」

――フィオレンティーナには奇跡が必要ですね。
「ファーストレグを“生きて”終わることが必要だ。ジラルディーノのゴールが戻るタイミングが来たんじゃないかなと思うね」

――ポルト対アーセナルへ進みましょう。
「ヴェンゲルにはファン・ペルシがいないが、彼には常にブレイクさせるタレントがいる」

――来週はインテル対チェルシーがあります。
「インテルは国際的な尺度を図りつつある。今年は良い1年になるかもしれない」

――最近のインテルで驚いたのは?
「パンデフが簡単に馴染んだことだ。すぐに決定的な存在となった。出ていなかったときも、偉大なプロとして振る舞っていたということだ。インテルにはもう一人、私が称賛する選手がいる。ミリートだよ。優秀で、タレントがあり、ゴールセンスも持っていて、どんな相手とも組める。“首位インテル”のシンボルだね」

――アンチェロッティ監督はイングランドにうまく適応しました。
「疑っていなかったよ。彼はインテリジェントで、バランスがとれている。ドログバの強さに、アンチェロッティのおかげで、アネルカとマルダもハイレベルに戻ってきた」

――チェルシーはアシュリー・コールを失いました。
「インテルにとっては小さなアドバンテージだ。だが、テリーがイラついていると勘違いすべきではない。ゴシップの尾は引かないだろう」

――シュトゥットガルト対バルセロナは?
「バルサが勝つだろう。イブラヒモビッチが完全に溶け込めば、バルサはさらに強くなる」

――あとはCSKAモスクワ対セビージャ、オリンピアコス対ボルドーです。
「セビージャが有利だね。ルイス・ファビアーノは常にゴールを決めるし、カヌーテにも注意だ。ボルドーには注目すべき選手が3人いるよ。グルキュフとシャマク、そしてプラニュスだ。それに、ブランもいる。インテル時代に私の下で選手だったが、いろいろと聞かれた。おそらく、すでに監督になることを想像していんだろう」