韓国で小学生のような大学生が急増

写真拡大

日本ではわが子に不利益が生じると小学生や中学生に身勝手なクレームをつける「モンスターペアレント」が問題となり大きく注目された。しかし、今韓国では「モンスターペアレント」と「ヘリコプターペアレント」が合わさったような親と、その親に依存しきる「小学生のような大学生」が問題となっている。「ヘリコプターペアレント」とはアメリカで生まれた言葉で、大学生になる子どもに過干渉し、過保護に接する親のことである。

「スポーツソウル」は4日付の記事で、小学生化している韓国の大学生たちの姿を紹介している。ここからは、仲のいい親子というよりも、精神的に自立できない子どもと、子離れできない親の姿が浮かび上がってくる。

A大学で助手を務めるキムさんは「最近大学にかかってきた電話にビックリした」という。電話の内容は「学校が子どもに履修期間をきちんと通知しなったせいで、子どもが大学の授業を履修し損ねた。今からでも履修できるようにしろ!」というもの。「困ったことがあると親に頼る小学生のような大学生が増えている」とキムさんは言う。

また、B大学に通うイさんは、授業中にビックリするような光景を目にしたという。国際学科であるため授業はほとんど英語だが、韓国語を使う授業になると帰国子女とおもわれる学生が母親と一緒に授業に出席し、分からないところを母親に聞いているのだそうだ。「いくらなんでも大学生が親と一緒に授業を聞くのはどうかと思う」と話す。

さらに、あるロースクールで開かれた入学説明会も親子連れが目立った。大学生のキムさんは23才だが、「親と一緒に相談しながら決めないと不安。最近では大学で担当教授と面談する時も、親と一緒の人がいる」と答える。

男女間の問題に口を出す親もいる。ある女子学生が合宿だと親にうそをついて彼氏と旅行に行ったところ、後日その女子学生の親が学校と担当教授に苦情を入れたのだ。「学生の管理を徹底するように」という内容であったという。

記事によると、「小学生のような大学生」は、80年代後半から90年代初頭生まれの学生に多く、また、その親も大学を小学校と勘違いしているような人が多いのだとか。

韓国では最近、「チョデディン(小学生+大学生)」という言葉まで生まれている。いつも親と一緒に行動し、重要なことは親と決め、分からないことは親に聞き、学校で不満があると親に言いつける小学生のような大学生のことである。親子が仲良く何でも相談できる関係はいいことだが、子どもの自立を損なう関係は子どもにとってもプラスにはならないだろう。

参照:「授業もママと一緒」小学生化する大学生急増 - スポーツソウル


(文:林由美)


■韓フルタイム2月1日スタート!
韓フルタイムとは韓国に特化した情報を提供する媒体です。
韓国に詳しい専門の日本人記者が取材、執筆を行っております。
韓国中心の出来事をいち早くお届けできるように頑張っていきます。