エースの交代があったバルサ。スピードとゴールへの貪欲な姿勢でゴールを量産し、守備の面でも前線からボールを必死に追いかけ、ボールを奪いに行く姿勢を見せたエトー。今シーズンからそのエトーに代わり9番の位置を務めるのがイブラヒモビッチだ。

　2人とも点取り屋のFWという意味では変わりはないが、両者のタイプは同じFWでも大きく異なっている。まず、エトーの特徴はなんといっても前に行こうという姿勢と最後まで諦めない集中力から生まれるダイナミックな突破だ。CL決勝戦でも見せたように少し相手に隙があれば強引にでも勝負に出てゴールに叩き込む貪欲さがある。

　一方、新加入のイブラヒモビッチは得点力については言うまでもないが、相手を背負い味方をいかすプレーができるということでエトーと大きく異なっている。中盤まで下がり基点となりそこからサイドにボールを展開することや、相手を背負って2列目の選手に仕事をさせるなどプレーの引き出しをたくさん備えている。

　「イブラヒモビッチはエトーと違ったものをバルサにもたらしてくれる」とチャビは語ったが、全く違うタイプのFWを前線に置くことでバルサのサッカーにどんな変化が出るか楽しみではある。ワンマンFWになってしまうのか、それともコンビネーションプレーに磨きがかかるかはこれからのプレシーズンマッチで見えてくるかもしれない。

（スペイン通信）