2月10日、国立感染症研究所がインフルエンザの患者数が1日までの一週間で、一つの病院あたり、37.45人から、35.62人に、微少ながらも減少したと発表した。インフルエンザの流行はピークになると、減少し収束する傾向にあるが、引き続き予防に努めるようにと、呼びかけている。今季流行したインフルエンザは、タミフルが効かない、もしくは効きにくい耐性ウイルスであり、新型インフルエンザが近い将来出現する可能性がおおいにありえる。

今年のインフルエンザの流行の中心は、Aソ連型といわれている。
インフルエンザにはA型、B型、C型があり、C型はここではあまり関係ないので端折るが、日本で流行するA型インフルエンザは主に、A香港型で、ソ連型は北海道の港町等で多少流行する程度だった。しかし、今回流行したAソ連型ウイルスは、日本で遺伝子変異を起こしている可能性があることがわかり、新型インフルエンザが発生する可能性が高まった。

1月には、都内の病院で集団感染がおき、高齢者が3人死亡した。近年でも千人以下だが国内で死亡者が出ており、その8割は高齢者だ。体力がない乳幼児や高齢者は死亡リスクが高いのは当たり前だが、有効なワクチンがない時代は全世界で数千万という死亡者を出した。

インフルエンザウイルスは強力な感染力と急速に変異するという理由から、細菌兵器にも利用が出来ないほど、危険なウイルスといわれている。(薬理凶室文・監修 アリエナイ理科ノ教科書?Bより抜粋)
特にB型のウイルスの感染力は強い、重篤な症状に至ることもまれではなく、タミフルが開発されるまで有効な治療手段がない状態だった。
今回はA型が流行し、タミフルが効果がなくても、それに代わるリレンザで耐用できた。だが、もし、B型の変異したものが流行したら・・・。

予防にはワクチン接種が有効だが、ワクチン接種者からも感染者が出ているという意見もある。しかし、ワクチン接種は一定の効果があることがわかっており、接種によって症状が軽かったと言う事例は多い。

先にも書いたがインフルエンザは死に至る感染症だ。症状が軽いからといって出歩くのは禁物だ。感染力が強いのだから、他の人に移してしまう可能性は大いにある。ワクチン接種も有効だが、帰宅後は手洗いとうがいをし、マスクもつけるなど自衛策も怠ってはいけない。

(編集部:吉岡 輪)

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【参照】
国立感染症研究所感染症情報センター