去る5月20日に、現在バスコ・ダ・ガマでプレーするブラジルの英雄FWロマーリオが生涯通算1000ゴールを達成した(※あくまで彼自身の計算らしいが)。

「1000ゴール」などという途方もない数字を積み重ねた選手は、実際どのぐらいいるのだろうか。FIFA統計によると、トップにランクされているのは“王様”ペレ。出場1363試合で何と1281ゴールをたたき出している。だが、このFIFA統計といえど、記録不明瞭な親善試合などの結果も含まれるため他統計の数字と一致しないことがある。以下の数字もそれに準拠していることをご了承いただきたい。
 次点に挙げられるのが、FWアーサー・フリーデンリッヒで1239ゴール(1329試合)。ランキング3位に、ハンガリーの伝説的FWプシュカスが1176ゴールで続いている。プシュカスもまた1945年にデビューし、1967年まで1300試合をプレーした鉄人だった。ロマーリオは、4位のフランツ・ビンダー(1006ゴール)に続いて5位にランクされることになりそうだ。

 いずれにせよ1000ゴールとは、FWという厳しいポジションで、長いキャリアをまっとうできる驚異的な体力がなければ実現不可能な数字。その点で上記のランクから外れた規格外のプレイヤーが1人いた。60・70年代に君臨した最強のドイツ人ボンバー、ゲルト・ミューラーだ。彼が21年間のキャリアでゴールネットを揺らした数は、驚愕の1461ゴール。(※ただし、そのうち726ゴールは非公式試合でのものらしい)。“自称”1000ゴールを達成した“悪童”ロマーリオだが、上には上がいたのだった。

弓削高志