ANAが国内線普通席、プレミアムクラスに新シートを導入。全席にタッチパネル式モニターの設置、座り心地を追求したトヨタ紡織との共同開発、重厚感のあるデザインといった点が特徴です。またプレミアムクラスが増席されます。

国内線プレミアムクラスの新シートは重厚感!

 ANA(全日空)が2019年5月29日(水)、国内線プレミアムクラス、普通席に導入するパーソナルモニター付きの新しい座席について発表しました。対象は中・大型の国内線主力機であるボーイング777-200型機8機と、ボーイング787-8型機11機。2019年秋から2022年度上期にかけて順次、導入されます(国内線普通席シートモニターはANA一部小型機材に装着済み)。


ANAが国内線に導入する新シート。左がプレミアムクラス、右が普通席のもの(2019年5月29日、恵 知仁撮影)。

 プレミアムクラスの新シートには、快適性や機能性が向上したというSAFRAN社製のものを導入。また国内線最上位クラスとして、シート全体の質感や色柄、ファブリックなどについて、より重厚感のあるデザインにしたそうです。

 タッチパネル式パーソナルモニターは、ANAの国内線中・大型機では最大サイズの15インチ。操作性が向上しているほか、国内線機内Wi-Fiエンターテイメントとしてビデオ番組やオーディオ番組、電子書籍など約190コンテンツを高画質で楽しめるといいます。


重厚感のあるデザインにしたというプレミアムクラスの新シート。

収納式サイドテーブルは近くに電源があり、スマホ充電に便利。

15インチのタッチパネル式パーソナルモニター。

 シートは、座り心地など快適性を追求したという電動リクライニング式。ペットボトルなどが収納できる座席横の小物入れや、90度に回転する大型テーブル、収納式サイドテーブル、座席間の大型ディバイダー(仕切り)を用意してパーソナルスペースの拡充、プライベート空間の確保をはかったとのこと。PC電源、USB充電ポートもあります。

 また新シートの導入にあたって国内線プレミアムクラスが、ボーイング777-200型機は21席から28席へ、ボーイング787-8型機も12席から28席へ増席される予定(普通席はそれぞれ384席から364席、323席から284席に)。ANAの平子裕志社長によると、プレミアムクラスの搭乗率が普通席より高いことから増席することにしたそうです。

普通席のモニター付き新シートはトヨタ紡織と共同開発!

 ANAが国内線の普通席に導入する新シートは、自動車用シート業界でトップクラスという、トヨタ紡織の人間工学に基づく座り心地の知見や技術、そしてANAの航空機シートにおける安全性、快適性を実現するためのノウハウを詰め込み、「Japan Quality」を追求したとのこと。現在、国内線のボーイング767-300型機(6機)に採用され、好評という座席に新しい工夫を加え、進化させたものといいます。


トヨタ紡織とANAが共同開発した新しい普通席のシート。

独特の形状をしているカップホルダー。

11.6インチのタッチパネル式パーソナルモニター。

 新しい座席は、フィット感をさらに向上させるため、背もたれのフレーム形状を最適化。より広い体格差を吸収する工夫を追加しているとのこと。背もたれは最初から倒さなくても快適な角度にし、シートファブリックはスタイリッシュなデザインを採用、シートごとに異なる柄を楽しめるようにしたそうです。

 タッチパネル式パーソナルモニターは、国内線普通席としては最大サイズの11.6インチ。どのような体格の人にも見やすく使いやすい角度に設定したといい、プレミアムクラスと同様に、国内線機内Wi-Fiエンターテイメントを高画質で楽しめるといいます。

 また、カップホルダーをクローバー型に変更。紙コップを取り出しやすいよう改善されているほか、PC電源、USB充電ポート、そしてシート前ポケットにはペットボトルなどを収納できる小物入れも用意されました。