ドジャース・前田健太【写真:Getty Images】

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PSは4戦連続無失点、わずか36球で打者12人を完璧に仕留める快投

 ドジャース前田健太投手は18日(日本時間19日)、敵地で行われたカブスとのリーグ優勝決定シリーズ第4戦で2点を追う7回に4番手で登板し、1回無安打無失点1奪三振と快投した。全10球中9球がストライクで、3者凡退に抑える圧巻の投球。前田はポストシーズン(PS)で計4回を投げ、打者12人をわずか36球で全員凡退に仕留めるパーフェクトぶりを見せている。

 この日も右打者3人を手玉にとる快投に、地元テレビ局も「マエダは右打者にとってあまりに厳しすぎる」と称賛。試合は、3連勝で王手をかけていたドジャースが敗れ、3勝1敗に。ドジャースは今ポストシーズンの連勝が「6」で止まった。

 デイブ・ロバーツ監督が名付けた「右打者キラー」という命名はダテではなかった。敵地リグレー・フィールドでドジャースはポストシーズン7試合目にして初黒星を喫したが、「MAEDA」は圧巻の輝きを放った。

 1-3で迎えた7回にマウンドに上がり、先頭コントレラスはあっという間に3球三振。すると、試合を中継していた「FOXスポーツ」の実況は外角に急降下する魔球スライダーのあまりの切れ味に脱帽した。

「マエダは右打者にとってあまりにも厳しすぎます。コントラレスの三振で幕をあけました」

抑えた12人中11人が右打者「順番になで斬り」

 続くラッセルも2球で追い込み、3球目のスライダーを打たせて遊ゴロ。そして、この日2本塁打を放っているバエスも外角低めへのスライダーで中飛に仕留めた。

 昨季のワールドシリーズ王者の実力者に対して、切れ味鋭いファストボールと宝刀スライダーを織り交ぜ、手玉に取った前田。あまりに鮮やかすぎる10球に、実況は「前田は右打者3人と対決し、順番になで斬りにしました」と言葉をつないでいた。

 ダイヤモンドバックスとの地区シリーズ第2戦では9球で打者3人を抑えて勝利投手に。さらに、第3戦では12球で3者凡退。そして、カブスとのリーグ優勝決定シリーズ初戦もたった5球で打者3人を抑え、勝利投手に輝いていた。PSでここまで打ち取った12人中11人が右打ち。「右打者キラー」の面目躍如となっている。

「真の武器」「プレーオフ最大の発見」とも地元メディアに絶賛される“リリーバー前田”が再び見せた「衝撃の10球」。ドジャース敗戦の中で、再びアメリカで評価を高めることになった。(Full-Count編集部)