「小池百合子のせいで残業増えた」都庁職員から怨嗟の声
平日夜、東京都庁では、妙な光景を目にすることができる。9月某日20時15分、煌々と明かりが灯る本庁舎が、一斉に消灯。今日も業務終了……と思いきや、その1分後、再び明かりが一斉についた。まだ、多くの職員が残っているのだろうか。
「小池知事は『ライフ・ワーク・バランス』を提唱し、 2016年10月から20時退庁となりました。しかし、築地市場豊洲移転問題、東京五輪がらみの議会対策のため、残業は逆に増えています。サービス残業をする職員もいるんです」
こう話すのは、40代課長代理の男性だ。いま都職員の間からは、就任1年を迎えた小池百合子東京都知事(65)に対する怨嗟の声が噴出している。
都政専門誌「都政新報」(8月15日付)が衝撃的な数字を報じた。都職員にアンケートを実施したところ、小池知事の1年めを100点満点で採点する項目で、平均点が46.6点だったのだ。「都政新報」の後藤貴智編集長も、衝撃を受けたという。
「職員に接している感触では、50点以上と思っていたのですが、予想外の結果でした。よほどの失政でもない限り、60点台には届くはずなのですが……」
アンケートは、青島幸男知事のころから不定期でおこなわれており、石原慎太郎知事1期めが71.1点、舛添要一知事1期め前半が63.6点という平均点。小池都政への職員の評価は、都民の支持とは裏腹に、驚くほど低い。
低評価の理由として多く挙げられていたのが、「特別顧問」の意見を重視する政策決定の手法だった。アンケートには、こんな回答があった。
〈職員を信用せずに顧問とばかり政策を練っているので、職員は知事を信用していない〉(50代部長以上)
「特別顧問」をはじめ、知事の顧問団は計14名。築地再開発計画など、重要事項を知事と彼らだけで決定している現状に、職員の多くが苛立っている。
本誌が職員に直接話を聞くと、小池知事への不満を吐露する。
「五輪に向けて築地に道路を造ろうと頑張っていた人たちが、180度方向転換させられ、途方に暮れた。積み上げてきたものがあるのに、はしごを外される。我々だって、都民のためにと思ってやってきたのに」(40代課長)
小池知事は都庁内に「目安箱」を設置したが、「別名は、『チクリ箱』。提言より、他人の悪口を書いて入れる職員が意外といたんです」(前出・40代課長代理)。
9月7日朝、小池知事を直撃。職員に広がる不信感を伝えると……。
「(平均46.6点は)大変名誉ある数字ですね。改革が進んでいる証拠。だって、改革は職員にとって都合が悪いことでしょ。(石原都政の点数については)職員にとって、石原さんは都合がよかっただけよ」
この溝は埋められるのかと聞くと、「ええ、大丈夫です」とだけ答えた。
手足となって働く職員が離反するようなことがあっては、「改革」は絵に描いた餅に終わる。
(週刊FLASH 2017年9月26日号)