本田のレバンテ移籍実現度は? イタリア人記者が予測「可能性は40%。残りの60%は…」

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今季限りで退団濃厚なミランの10番 レバンテ移籍の可能性は「確かに存在する」

 ACミランの日本代表FW本田圭佑は、13日に行われた第36節の敵地アタランタ戦でリーグ戦26試合連続の先発落ちとなり、1-1ドローに終わった試合で出番が訪れないまま終わった。

 このドローで5位アタランタが6位以上を確定させ、26年ぶりに来季のUEFAヨーロッパカップ(EL)出場権を獲得。一方の6位ミランは、イタリア杯決勝に首位ユベントスと4位ラツィオが勝ち進んだ関係で、カップ戦王者に与えられる来季EL出場権がリーグ6位チームに回ってくるため、残り2試合でこの座を死守することが最大のテーマになる。

 そのミランでベンチウォーマーの背番号10には、来季スペイン1部昇格が決まっているレバンテ移籍の可能性が浮上しているが、ミラン番記者がその実現度について考察してくれた。

 アタランタ戦でヴィンチェンツォ・モンテッラ監督は、定番の4-3-3ではなく3-5-2を採用したが、本田のパンキナーロ(イタリア語でベンチ要員)という立場に変わりはなく、最後まで声はかからなかった。今季限りで契約満了となり、チームを去ることが濃厚な背番号10の去就について、ミラン専門メディア「milannews.it」のアントニオ・ヴィティエッロ記者はこう語っている。

「本田のレバンテ移籍の可能性は、確かに存在すると言える。アメリカのMLSの(シアトル・)サウンダースからは明確な金額のオファーが届いていた。それを考えれば、現時点でレバンテ移籍は可能性という段階だ。本田は6月に契約が切れる。オファー額をベースに、自分の行きたいところに移籍するはずだ」

「スペインはイタリアよりも…」

 シアトル・サウンダースからは明確な条件提示が、本田のもとに届いていたようだ。レバンテからはまだ具体的な提示がないものの、スペイン移籍の可能性は確かに浮上しているという。

 ミランで今季リーグ戦出場わずか6試合で98分、0得点0アシスト。昨季は主力としてプレーしながら、1得点3アシストに終わった。攻撃的な選手としては目立った活躍がほとんどなく、ミランでも日本代表でも定位置を失っている。6月に31歳の誕生日を迎える本田は、ハイレベルなスペインで通用するのだろうか。

 ヴィティエッロ記者は「本田は通用すると思う。彼は技術的に価値の高い選手だ。ミランのプロジェクトでは本田への期待はなかった。スペインのトップクラスではないそれなりのクラブなら、(活躍する)可能性はあると思う。そしてスペインはイタリアよりも、守備が強固とは言えないからね」と語った。2部から来季昇格するレバンテなら、本田は実力を発揮できるとしている。

 だが、本田にとっての理想の移籍先はスペインではないとも指摘している。「アメリカ移籍が理想だね。技術的にも戦術的にも、本田はアメリカで活躍できる。マーケティング面でも、彼のビジネスであるサッカースクールを発展させられる。リーグのレベルが高くはないから、あそこなら彼のクオリティーを見せることができる」と語り、欧州主要リーグよりも格段にレベルの下がるMLSなら本田は確実に活躍できると太鼓判を押している。

 現時点での移籍指数は「アメリカが60%、スペインが40%」と、ヴィティエッロ記者は予想していた。

【了】

倉石千種●文 text by Chigusa Kuraishi

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images