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北朝鮮の拉致被害者家族の蓮池透さんが12月21日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開き、「安倍さんの言うことは『あらゆる手段を尽くす』とか非常に情緒的で、具体的な戦略はまったく見えてこない」などと、安倍首相の対北政策を厳しく批判した。

蓮池さんは『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社)という本を出版したばかり。自著について「非常に挑戦的なタイトルの本を書いたが、単に批判をして憂さを晴らすという意味ではない」と語っていた。

●日朝間の「過去の清算」がカギ

蓮池さんは会見で、安倍政権の対北朝鮮政策について「どういう状態になったら拉致問題が解決したと言えるのかを定義してほしい。それをするのは安倍さんしかいない。全員が帰ってくれば解決か、安否確認ができれば解決なのか、現在は非常にあいまいな状況」と述べた。

また、「拉致問題と日本の植民地支配にみられる過去の問題は、一見関係ないように見えるが、私は、切っても切り離せないものだと考えている。日本に帰ってきた拉致被害者も、問題の背景には、日本と朝鮮半島の不幸な過去があるということを述べている。『過去の清算』をてこにして、拉致問題を通じてギブアンドテイクで動かしていくしかないのではないか」と持論を展開した。

新しく本を執筆した動機にも触れ、「北朝鮮側に大きな問題があることは明らかだが、日本の対応で間違ったところはないのか、という観点で書いた」と語った。本では、蓮池さんの弟・薫さんの失踪と「家族会」結成のいきさつや、拉致問題に対する安倍首相の対応への批判、そして、蓮池さんが考える拉致問題解決の糸口などについて、赤裸々に語っている。

(弁護士ドットコムニュース)